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HEART-WARMINGな体育館LIVE
藤沢西高校第6回『ウィンターコンサート』
 
 ある意味で衝撃的なステージであった。

 吹奏楽の演奏と言えば、ホールの舞台に上がってやるもの、という私の思い込みは会場に入った途端に打ち砕かれたのであった。

 2004年の暮れも押し迫る12月23日(天皇誕生日)、藤沢の大庭市民センターに於いて藤沢西高校吹奏楽部『ウィンターコンサート』は開かれた。

 しかし、まず、何故我々『部活.ネット』がこのコンサートに取材に来たのかをお伝えしておこう。

 先月開かれた「湘南地区アンサンブルコンテスト」に取材に行き、得意の(?)自己採点とともに、本部経由の成績も発表したのをご記憶だろうか。

 その際、藤沢西高校クラリネット5重奏が、本来は「銀賞」だったのに「銅賞」となっている(会場での発表は銀賞、ペーパーによる発表は銅賞になっていた)のを発見した、藤沢西高校吹奏楽部で実際にクラリネットを吹いていた女子部員(1年)からのメールがきっかけで、WEB版を訂正し、そこから始まった“メル友生活”から、ウィンターコンサートの存在を知り、ついには部活訪問記へと発展した次第なのであった。

 というか、当「部活.ネット」の取材の根幹は、懸命に練習に励む生徒やそれを見守る先生をはじめとする大人たちを勇気づける、という点にあるので、「部活.ネット」らしい取材のきっかけではあったわけだ。

写真を見ておわかりの通り、ステージは体育館の床の上。客席もステージに隣接されており、演奏者の息遣いも聞こえるというわけだ。写真は左から、今回のタイトルと雪だるま、入場風景、準備風景。

   
ん〜、バスケットのゴールとかもあるし、やっぱり「体育館」ですね。

本ステージ先立って行われたアンサンブルステージ。順に「テューバ・コントラバス3重奏」「クラリネット4重奏」「金管8重奏」「サクソフォンアンサンブル(最初は4人で、のちにもう1人加わる)」。最後のサックスはOB・OGチームのようで、やはりとても上手でした。

客席は床の上にパイプ椅子を並べるという方式。お客さんが増えるやいなや、臨時増設するという手作り感覚は称賛に値する。たくさんのお客さんが来てくれてよかったね。

 
 本ステージは7つの曲から構成される本格的なもの。また、それぞれの曲の間にMCを入れて、客を飽きさせない配慮もあり、懸命さが伝わるものであった。
 
プログラム

奮闘する司会進行の2人

1.天国と地獄
2.CITYSCAPES
3.冬のソナタ
4.LAST CHRISTMAS
5.Don't say that again
6.グレン・ミラー メドレー
7.ロシアのクリスマス音楽

アンコール〜Happy Christmas

 
 たいへんにメリハリの利いた「天国と地獄」に始まり、3曲目の「冬のソナタ」では、なぜか指揮の新倉先生がマフラーを巻いて(これってヨン様ってことっすか?)登場。ちゃんと「笑い」(と言っては失礼か)も取るあたりはなかなかしたたかでもあり、好ましい。

 そして、4曲目・5曲目は学生指揮の吉田真悠さんがタクトを振る。何でも、部員間の投票によって選出されるとのことなので、部員からの信頼も厚いものがあるに違いあるまい。

 個人的には6曲目の「グレン・ミラー メドレー」がよかったかな、と。あくまで個人的な問題で、『映画 瀬戸内少年野球団』のテーマソング(と言いつつ、タイトルを知らない!相当有名な曲のはず...)が、妙に懐かしく、胸に響いた。

 そして大団円の「ロシアのクリスマス音楽」。大曲を精一杯演奏する部員たちに拍手を送りたい。

 さらに、アンコールはジョン・レノン作「Happy Christmas」、しかも合唱つき。これには感動しました。

 プログラムの中で、顧問の新倉先生がこの曲の歌詞を引用しながらご挨拶されているので、きっととても好きな曲なのだろうな、と推測する次第です。

 ともあれ、演奏者と聴衆が同じ目線で、音楽を通じて一体化しようとする試みは成功したと言えるだろう。音楽専用の建物ではないので、音がどれほど分散するのかが気になっていたが、それも十分許容範囲であり、こうなってみると、他の高校の吹奏楽部も「体育館LIVE」にチャレンジすればいいのに、と思ってしまう。

 藤沢西高校吹奏楽部の皆さん、心温まるコンサートをありがとうございました。年明けすぐの「吹奏楽の集い」、さらには春の「定期演奏会」に向けて、さらに頑張って下さいね。微力ながら、「部活.ネット」では今後も応援をさせて頂きます。

顧問の新倉徹也先生にインタビュー
 
 顧問の新倉先生は本職は社会科の先生。藤沢西高校に赴任されて5年目。最初の2年間は、現茅ヶ崎西浜高校の顧問・渡辺良子先生とともに指導されていたが、主顧問になって3年目である。

 ちなみに、好きなタレントは矢田亜希子(だってプログラムにそう書いてあるもん)
 
管理人「いきなりですが、部の運営方針のようなものがあれば教えてもらえますか。」
新倉先生「いやぁ、そんなちゃんとしたものがあるわけではないのですが、ステージに乗ることが楽しいと思えるような積み重ねをしていこう、ということですかね。個性的な子たちの集まりであっても、音楽を通じてまとまることが出来る、ということを感じて欲しいです。」
管理人「現在の部員たちはいかがですか。」
新倉先生「よくも悪くもまじめなところがありますね。でも、音楽が好きで集まってきているのは確かです。」
管理人「今回のウィンターコンサートの位置付け、というのはどういったところになりますか。」
新倉先生「文化祭と春の定演の間に、ちょっと大きな演奏会を、ということで始まったそうですが、いい試みだと思います。」
管理人「音楽用のホールとは違いますよね。床の上にステージを作ったり、音の逃げ具合だとかは気になりませんか。」
新倉先生「ハッキリ言ってやりづらいところはあります。でも、普段のステージとは違う面白さもありますね。」
管理人「私も音量バランスが取りづらいのでは、と思っていましたが、バランスはとてもよかったですね。」
新倉先生「ありがとうございます。上級生の子たちが慣れているということもあって、それほど違和感なく演奏しているようです。」
管理人「ところで、今回のデキについてはいかがですか。」
新倉先生「アクシデントもあるし、よかったところもありますね。」
管理人「では、定演に向けての抱負をお願いします。」
新倉先生「いつも直前になって準備がドタバタするので、なるべく早く準備したいですね。それと、せっかく聴きに来て頂いたお客さんに、気持ちを込めたお土産を持って帰ってもらうよう、頑張りたいと思います。」
管理人「どうもありがとうございました。そして、お疲れ様でした。」

 ものすご〜く柔和な先生です。35名の部員たちからの信頼も厚く、初対面の私にもひじょうに優しく接して下さいました。ありがとうございました。

 藤沢西高校吹奏楽部の今後ますますの活躍を祈念致します。

部長と学生指揮の御二人にインタビュー

部長の浅井さん(左)と指揮の吉田さん
 
 部長はテューバ担当の浅井優那さん(2年 写真左)。学生指揮はフルート担当の吉田真悠さん(2年 写真中)。

 部長の浅井さんは「意見がバラバラになった時はまとめるのが大変だけど、そこで普段はあまり話さない部員の意見も聞くことで、自分にはない発想を得られることもあって、やり甲斐はありますよ。」とのこと。
 
 何を大切にして音楽をやっているか、という問には間髪入れず、「音楽は世界をつなぐ、ということと地域の人たちを大切にする、ということですね。」と答えてくれた。

 どうやら、藤沢西高校全体で「地域密着」を一つの方針としているらしい。それで、近隣の小中学校にポスターを貼らせてもらったりしているとのこと。どおりで、今回の聴衆の中に子供たちが多かったわけだ。

 部員からの投票で指揮に選ばれた吉田さんは「まとめてゆくのは難しいです。でも、何十人もの人が一緒に音楽を作って、お客さんに聴いてもらえるようになると達成感もあります。」と語ってくれた。

 今回のウィンターコンサートは、お客さんと地続き、時として子供が走り回る、といった状態であったが、「演奏に集中しているので、全く気にならなかった」とのこと。

 頼もしい2人が率いる藤沢西高校吹奏楽部。定演も楽しみである。

最後に“メル友”にインタビュー
 
 何しろ、このメル友の少女Mちゃんがいなければ、今回の取材はなかったと思われるので、インタビューさせてもらいました。
(本人のたっての希望で写真は恥ずかしいので勘弁してね、とのことでした)
 
管理人「どうですか、メル友のおじさん(注・管理人のこと)と初めて会った感想は...。」
M「想像と違ってました。もっと歳をとったおじさん かと...。」
(十分おじさんですけど)
管理人「今日の演奏はどうでしたか。」
M「力んでしまいました。あと、ちょっと寒かったです。」
管理人「やっぱり演奏者も寒かったのか...。まあ、暖房設備はありませんしね。ところで、部の雰囲気はどうですか。」
M「めちゃめちゃいいです。先輩たちもいい人ばかりで。」
管理人「定演に向けての抱負を聞かせて下さい。」
M「ベストを尽くします。」
管理人「では最後に、現在吹奏楽をやっている中学生たちにメッセージをお願いします。」
M「せっかく楽器をやるなら、頂点目指して頑張って欲しいです。」
管理人「ありがとうございました。また、メール下さいね。」

 その後彼女から来たメールによると、「演奏中は力入りまくっていたし、インタビューの時も、思ったようには話せなかった。」とのことでした。

 また、直接お話する機会もあると思いますので、その時はリラックスして話そうね。

 どうもお疲れ様でした。また“メル友通信”も続けましょうね。

藤沢西高校吹奏楽部 今後の予定
 
■湘南吹奏楽の集い
 2005年1月9日(日) AM10:00〜 於:茅ヶ崎市民文化会館
 赤羽根中学・藤沢高校・大清水高校との合同演奏

■第23回定期演奏会

 2005年3月26日(土) 13:30〜 於:藤沢市民会館
 プログラム予定 
  『アルルの女』(ビゼー)、『シンフォニエッタ第3番「ラインフェルデンのスケッチ」』(スパーク)

■春一番の音楽祭
 2005年4月9日(土) 10:30〜 於:大庭市民センター