2011.10.29up
 
力を尽くして,狭き門より入れ
 
2011年10月29日(土)。
茅ヶ崎市民文化会館で行われた「第12回湘南アンサンブルコンテスト」を聴きに行きました。

昨年は後半を聴けず、残念でしたが、今年は何とか全チームを聴かせてもらいました。

出場チームは29。
うち、県大会に出場できるのはわずか5チーム。

勿論、県大会に出ることだけが彼らの目標ではあるまいが、厳然と存在する競争率が出場者に緊張を強いることは間違いない。

実際にステージに立ったそれぞれのチームが、最初の音を出すまでの文字通り「息を殺す」ほどの張り詰めた空気は、聴いているだけのこちらの胸さえも張り裂かんとする。

この張り詰め感こそがアンコンの楽しみでもある。

今回も懲りずに「管理人独自採点」を試みたが、正直言って上位は大混戦で、自信を持って当てられたのは「湘南・打楽器」「北陵・金管」「湘南学園・フルート」の3チームだけであった。
それだけ皆の演奏が充実していたということであろう。

それと、出演順が最初の「湘南・打楽器」と、最後の「湘南学園・フルート」がひじょうによい演奏で、コンテスト全体が引き締まったように感じられ、すごく得をした気分でした。

県大会に出場することになった5チームの皆さんは、もっといっぱい緊張して、もっと素晴らしい演奏をしてきて下さい。

審査結果速報[出演順]
 

【県大会出場チーム】
湘南・打楽器七重奏、北陵 ・金管八重奏、日大藤沢・クラリネット四重奏、湘南・クラリネット四重奏、湘南学園・フルート三重奏

【金賞】 ※県大会出場チームを除く
藤沢西・打楽器五重奏、藤沢総合・サックス四重奏、北陵・サックス四重奏、湘南学園・サックス三重奏、慶應湘南・クラレネット四重奏、日大藤沢・フルート四重奏

【銀賞】
北陵・打楽器五重奏、湘南・金管八重奏、慶應湘南・金管七重奏、アレセイア・木管三重奏、藤沢総合・サックス三重奏、藤沢西・クラリネット八重奏、藤沢総合・クラリネット四重奏、藤沢西・フルート四重奏、鶴嶺・フルート三重奏

【銅賞】
湘南学園・打楽器六重奏、鶴嶺・金管八重奏、鶴嶺・金管八重奏、アレセイア・金管三重奏、茅ヶ崎・トロンボーン四重奏、茅ヶ崎・木管五重奏、日大藤沢・サックス四重奏、茅ヶ崎・サックス四重奏、、アレセイア・サックス三重奏


管理人独断『印象に残ったチーム』
 
さすがに県大会に残ったチームは皆、素晴らしい演奏だった。
出演順に、“管理人メモ”をご紹介しておきます。

■湘南・打楽器七重奏
深遠な始まりから、徐々に全体の音量はあがってゆくのだが、「うるさい」という感じは全くなく、品さえ感じる音鳴りで、透明感のある演奏だった。
強弱のコントラスト、ブレイクのピタリ感も素晴らしかった。
あと、お辞儀のスタイルが中国風(全然違ったらゴメンナサイ)でユニークだった。

■北陵・金管八重奏
管理人も何度も聴いたことのあるスタンダードナンバー(ジャスト・スパークリング・タイム)で、ピッチもよく、丁寧かつダイナミクスレンジが広く、楽しい演奏だった。
低音もしっかり吹いている印象で、アンサンブルらしく、解釈力の高さが窺えた。

■日大藤沢・クラリネット四重奏
とにかく、音色が優しく、軽やかだった。
弱奏部ではちょっとした憂いすら感じさせる豊かな表現力で、技術・解釈力が高いことが伝わる演奏だった。

■湘南・クラリネット四重奏

おそらくは常日頃の“湘南高校テイスト”がこのチームに憑依したという印象を強く受けた。
日大藤沢とは、ある意味で対極的な現代音楽風楽曲。
心理的葛藤を内包したような抽象画をイメージさせる難曲でありつつ、それをきちんと表現していた。

■湘南学園・フルート三重奏
高い意識で統一された演奏だった。
アイコンタクトでしっかりと丁寧にシンクロ精度を上げ、高音も音が尖らない、管理人のストライクゾーンにズバリだった。
うららかな春の日射しを浴びて、けんかをしていた二人が仲直りする、という絵が思い浮かんだ。
(全く違う意図だったとしたら、ゴメンね)

とりあえず、管理人はサックスとクラリネットのアンサンブルに対して、ちょっと自信喪失気味で、善し悪しを強く言いきれないここ数年です。
しかし、日大藤沢・湘南ともに「何か持っている」という印象を抱いたので、ちょっと自信を回復しました。

<その他の印象に残ったチーム>
■藤沢西・打楽器五重奏

校内予選も聴かせてもらっていたので、その成長ぶりが感じられる素晴らしい演奏だったかと。
安定感とシンクロ性が増し、静かにフッと終わる演奏は非常に印象的で、打楽器好きの管理人採点では県大会有力候補の1つであったことを告白しておく。

■茅ヶ崎・木管五重奏
プログラムを見た時から、管理人が最も注目していたチーム。
何しろ今回29チーム参加している中で、オーボエとバスーンが入っているのはここだけ。
打楽器と並び、木管のいろいろな楽器が混ざっているアンサンブルが大好きな管理人にとっては、間違いなく「待ってました」のチームだった。
期待にたがわず、せつなく美しい旋律を奏でてくれた。
木管アンサンブルらしい、柔らかく温かみを感じる演奏で、銅賞なのは意外であった。

■日大藤沢・フルート四重奏
今回のビジュアル大賞は間違いなくこのチームだ。
おそらくは意図的な体のうねり、向きを変えつつの演奏は見ていて楽しかった。
(実際の審査員はそういうところで評価するものではないとは思うが)
また、アンサンブルとしてはやや長いソロや、時代劇のような「間」も管理人好みだった。
楽しんでやっている感は是非失わずにいて欲しいものです。

打楽器はアンコン界のハンマー投げか?
 
って、何を言ってるのかわからないっすよね。

管理人はこう見えても(見えてないか...)高校時代は陸上部の、しかもキャプテンだった。

だから、というわけではないが、アンコンの進行を見ていて、毎年思うところがあった。
それは「いつも打楽器が最初に演奏するよね」ということだ。

いやいや、物理的理由は十分わかるつもりです。
搬入・搬出が大変だし。

陸上競技では、たいていハンマー投げが競技プログラムの中で、最初の方に実施される。
それはおそらく“危険”だから...。

管理人が高校3年生の時(1978年)、国立競技場で『8か国対抗陸上』なるイベントが開かれ、観に行った。

勿論、最初の種目はハンマー投げだ。

そして、事件は起きた。

ある選手の投げたハンマーが、あらぬ方向に飛び、全天候型トラックでワンバウンドしてから、スタンドの中に飛び込んだ。
だまだ2割くらいしか埋まっていなかったので、大事には至らなかったが、あれが2時間後だったら大げさではなく死者が出ていたかもしらん。

ん〜、今思ったが、アンコンの際の打楽器の演奏順とは趣旨が違っておるね...。

ま、いっか。

打楽器の皆さん、いろいろと大変だろうけど、管理人のように打楽器好きな人もたくさんいるから、頑張ってね。
湘南高校打楽器チームの皆さんは、打楽器代表としても素晴らしい演奏をしてきて下さいね。

期待しています!