2013.11.04up
  

印象に残るバンド数多く...
 
11月3日(日)は文化の日でもあり、会場である文化会館の前の中央公園では『市民まつり』なるイベントも行われていて、賑やかなのであった。

管理人は待ちに待ったこの日を期待に胸ふくらませて聴かせてもらったのであるが、実はどのチームが県大会に出るのか、という予想はひじょうに困難を極めた。

理由は主に2つあって、1つは「編成により、採点のしかたがよくわからん」というのと、もう1つには「皆が丁寧に楽曲を解釈しているため、同じ編成だと差をつけにくい」というものだ。

なので、実際の採点をされた審査員の方々とは違った印象も多々あったと思われるので、それについては後述したいと思う。

いずれにしても、きっと県大会に出場されるチームの皆さんは、これから1ケ月少々の間、さらに練習を積み重ねて、より楽曲の魅力を引き出して欲しいと思うと同時に、県大会に出られない人たちこそは、せっかく出会った楽曲をもう少し見つめ直して欲しいなぁと切望する。

ま、それはさておき、アンサンブル大好きオッサン・管理人は、皆さんの演奏に感動しました。

アンコンに限らず、日々アンサンブルの音鳴りを意識して、楽しみつつ練習して下さい。

それが、いずれもっと大きなバンドの中でも活かされるものと信じています。

19チーム中4チームが県大会へ
  
実際の審査員の皆さんによる審査結果は以下の通りです。
(楽曲・作曲者名はプログラムによる)

 1.茅ヶ崎      金管八重奏 第7旋法による8声のカンツォン第2番 G.ガブリエリ 「銅」
 2.鶴嶺       金管八重奏 てぃーちてぃーる〜沖縄民謡による〜 福島和弘 「銅」
 3.慶應湘南藤沢 金管八重奏 竹とんぼ 高橋宏樹 「銀」
 4.藤沢総合    木管八重奏 ゆきのはなびら 福田洋介 「銀」
 5.湘南学園    サクソフォン四重奏 異教徒の踊り P.ショルティーノ 「銅」
 6.北陵       サクソフォン四重奏 彗星 トルヴェールの<惑星>より 長生淳 「銀」
 7.湘南       サクソフォン四重奏 グラーヴェとプレスト J.リヴィエ 「金」(県大会へ)
 8.茅ヶ崎      サクソフォン四重奏 サクソフォン四重奏曲 第4楽章 C.パスカル 「金」
 9.藤沢西      サクソフォン三重奏 パッション 高橋伸哉 「銀」
10.日大藤沢     クラリネット五重奏 カレイドスコープ R.T.ロレンツ 「金」(県大会へ)
11.藤沢西      クラリネット五重奏 フォスター・ラプソディ 鈴木英史 「銅」
12.北陵       クラリネット四重奏 3つのラテンダンスより シオマラ・レイエスのチャランガ P.ヒケティツク 「銀」
13.慶應湘南藤沢 クラリネット四重奏 バードウォッチングより T,V,X M.ヘンリー 「金」(県大会へ)
14.湘南       クラリネット四重奏 ディベルティメントより V楽章 A.ウール 「金」(県大会へ)
15.日大藤沢    フルート四重奏 クォーター 1,3,4楽章 P.M.デュポワ 「銀」
16.鶴嶺       フルート三重奏 フルート三重奏のための想い出は銀の笛 U,X 三浦真理 「金」
17.藤沢総合    管打楽器八重奏 沢地翠 天野正道 「銀」
18.湘南学園    混合八重奏 歌劇「アベサロムとエテリ」より バレエ  Z.バリアシュビリ 「銅」
19.藤嶺藤沢    管楽六重奏 ルーマニア民族舞曲 B.バルトーク 「銅」

管理人の推しバンド
 
実際の成績に関係なく、このバンドのここがよかった、というのを、一部ではありますが、お伝えしたいと思います。
(印象は俗称「管理人メモ」によります。出演順です)

◆慶應藤沢湘南  金管八重奏 
金管特有の柔らかい弱奏部を丁寧に吹こうとする意志が感じられ、ダイナミクス・バランスもよかった。
可愛らしいホルンソロに加え、場面転換もよく理解されている印象で、これでも銀賞止まりかと、ちょっと意外だった。

◆湘南 サクソフォン四重奏 
音が途切れることなく、次々に湧き出してくる印象で、現代音楽的な選曲も湘南らしい。
楽曲の意図を捉え、きちんと吹き切ろうという意志が表れていると同時に、細かな部分も丁寧、ブレイクもビタ止めで美しく、木管特有のシンクロ性の高さも十分発揮されていた。

◆茅ヶ崎 サクソフォン四重奏

音粒の輪郭を出来るだけ明確にしようという印象を受けた。
ダイナミクスにかなり気を遣っている感じで、“うねり”を感じる演奏だった。

◆藤沢西 サクソフォン三重奏

バスクラリネットが大車輪の活躍で、難曲(たぶん)だがリズムがしっかりしている上、ダイナミクスのコントロール、シンクロ性の高さはひじょうに聴きごたえがあった。
また、アルトの気だるさもよく出ていたように感じた。

◆北陵 サクソフォン四重奏
譜面に記されているのだろうけど、ブレスの瞬間のちょっとした間がアクセントになっていて、とても楽しい演奏だった。
半音進行やタンギングの箇所もひじょうにシンクロ性が高く、管理人採点では「金賞」だった...。

◆慶應湘南藤沢 サクソフォン四重奏
波状攻撃風にダイナミクスが小から大へと変化し、聴く者の気持ちを揺さぶる。
管理人のこれまでの感覚では、クラリネットはダイナミクスの大小感を出しづらいように思っていたが、それをいかにして補うのかをよく考えて演奏している印象だった。
県大会に向けて、強く吹く部分をいかにもっと丁寧に吹くか、をテーマに練習すると、もっといい音になるように思う。
期待「大」です。

◆鶴嶺 フルート三重奏

メロディアスな楽曲で、フルートという楽器の特質を心得た演奏だった。
安心して聴ける、という点では最高の出来だったのではないかと思う。
管理人的には県大会かと思ったのだが...

◆藤沢総合 管打楽器八重奏

開演前、最も期待していたのがこのバンドであった。
夏のコンクールで初の県大会出場(B部門)を勝ち獲り、劇的進化を続ける注目の学校で、期待にたがわぬ楽しい演奏だった。
ドラムスと管楽器がシンクロして始まる出だしはテーマとなって繰り返され、途中、サックスと打楽器が楽器を持ち替えるあたりもビジュアル面でMVPと言えるものだった。

◆湘南学園 混合八重奏
惜しくも銅賞だったが、ダイナミクスの強弱をコントロールしつつ、ダンスの情景を思い浮かべさせる演奏で、ステレオ感がとても楽しかった。
背筋がビリビリしたよ。
(これは、たいてい管理人が感動した時に起きる現象です)

◆藤嶺藤沢 管楽六重奏
正直に告白すると、音がバラついていたり、チューニングは大丈夫なのか、とちょっとハラハラする場面もあったのだが、何しろ参加してくれて嬉しかった。
ダンス音楽だから盛り上がっていこう、というとする意志はありありと感じられ、是非継続して欲しいと心から思った。
男子校なのだから当たり前だが、男子だけのバンドは大変な希少価値があり、スケールの大きな音楽を目指して、このアンコンを一つの踏み台としてもらいたい。
 

打楽器・コントラバス・男子よ、もっと出でよ!
 
今回の出場者(演奏者)は19チーム102名で、うち男子は13名。
率にすると12.7%しかいない。

しかも、うち6名は藤嶺藤沢という男子校からの出場であるから、それを除くと96名中7名で、7.3%にしかならない。

高校部門の前に行われた中学の部も異様なまでの女子率の高さにクラクラしそうだったが、どうして男子がこうも少ないのだろうか...。

軽音などに流れるのも理解できなくはないが、何とか中1の時点で、音楽に興味のある男子をあの手この手で引き込んでもらいたいなぁ、と思う次第です。

そして、アンコン最大の楽しみである「打楽器アンサンブル」に今回エントリーが1チームもなく、たいへん寂しく思いました。

さらに言えば、単独での出場は掟破りとされるコントラバスも、何とか他の楽器に混じって出てきて欲しいなぁ。

もっともっと聴いていたいアンサンブル。

県大会への出場権を得た皆さんは、アンサンブルをひどく楽しみにしている人も少なからず存在するという事実を、ほんのちょっと心に留めおいて、これからの練習に励んで下さい。

管理人も死ぬまでには一度、オリジナル曲を引っさげ、アンコンに殴り込む予定です。
(といっても、高校生部門には出られませんが...)

では、また。