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7/17 ◇7/16

 
またしても巡りくるこの季節

― 懸命に鍛えてきたのは、この日この時のためだったはず。

負ければ硬式野球とは永遠の別れになる、多くの3年生諸君にエールを送る。
 
2016.7.16 部活ネット・管理人
 

 
7/14 北陵13−4平塚農 @バッティングパレス相石スタジアムひらつか[平塚球場]
 
2016.07.17up
 
北陵,昨夏の負けを糧にして
 
 
  
左から 先発・細野(3年)、キャッチャー・相澤(3年)、ファースト・府川(3年)
  
セカンド・藤村(3年)、サード・石田(3年)、ショート・古谷(3年)
  
レフト・内田(3年)、センター・長谷川(2年)、ライト・笠井(3年)

 
新生北陵「バントも野球のうち」
 
1回ウラ、北陵は先頭打者の藤村くんが四球を選ぶと、続く2番の内田くんが送りバントを成功させた。

これは結果として得点にはつながらなかったのであるが、この4月から就任された小澤監督の強い意志の表れかと受け止めた。

そして、4点リードされた3回ウラには石田くん・長谷川くんが連続スクイズという、およそ北陵らしからぬ小技も見せつつ、逆転に至ったのであった。

場面によって、時に手堅く、という戦術もとり得るということは、勝つためのバリエーションを増やすことに結びつくはず。

次戦以降も楽しみである。
 
 
“大当たり”のエース
 
この日、管理人はエース・細野くんがボールに当たる場面を3度見た。

@2回オモテ二死三塁より
 相手打者の猛烈なピッチャー返しが右足すねを直撃。この打球はサード前に転がり、この回を無得点に抑えたが、ピッチングへの影響も懸念された。
(小澤監督は「投げるのに大きな影響はなかったと思います」とのこと)

A3回オモテ投球練習後
 イニング冒頭の投球練習終了後、キャッチャー相澤主将が二塁に送球しようとしたボールが背中を直撃。 その後の投球で5安打を集中されたこととどの程度関係していたかは不明。ただ、ゲームには出続けていられたところを見ると、深刻な状態ではなさそうで安心した。
 
B4回ウラ
 この回の攻撃で打席に立った彼は、右太ももにデッドボールを受ける。管理人は3イニング連続の「大当たり」に、もしや彼はツイているのかも、と思ったことを告白しておく。

次戦は第1シードの藤沢翔陵。彼が本来の力を発揮することが、ゲームを作る上での必須条件となるので、回復に努めてもらいたい...
 
突然の高波 3回オモテ・ウラの攻防
 
立ち上がりの1・2回を無難に抑えた細野くんだったが、一死から5安打とフィルダースチョイスも絡んで、まさかの4失点となってしまった。

昨夏、初戦の湘南台戦2回、彼は突然崩れ、致命的とも言える9点を失った。

それを経験している主力選手たちは、そのトラウマが頭をよぎったかもしれない。
一気に落ち込んでもおかしくない場面だった。

しかし、その昨夏の経験はダテではなかったようだ。
 
 
ベンチでは相澤主将をはじめ、「たった4点だから、何とかできる」という雰囲気だった。

実際、そのウラ、トップバッターの藤村くんから始まる好打順で、3連打からの怒涛の攻撃に、先述した2連続スクイズで一気に逆転。
流れは一変した。

管理人は北陵側の応援席ではなく、平塚農側から試合を見ていたが、3回オモテの歓喜が嘘のように静まり返ってゆくのを肌で感じた。

もう、それは気の毒になるほど...
彼らは部員16名だけ(最大20名ベンチ入りできる)でこの夏を迎え、薄い選手層で戦うことを余儀なくされている。

その中で巡ってきたチャンスをモノにした3回オモテだっただけに、再度押し返す力は残っていなかった。
  6回ウラ二死、平塚農は先発の鳥海くんに代えて新屋くんを起用。

これはコールドは何としても阻止したい、という気持ちの表れだったと思われるが、その替わりばな、藤村くんが左中間深いところにとどめのランニングホームランで計13点となり、北陵のコールド勝ちが決定的となった。
 
小澤監督にプチインタビュー
 

小澤監督は夏の初采配で勝利。第1シード藤沢翔陵への挑戦権を得た。

管理人「おめでとうございます。初回の送りバント、3回の連続スクイズなどは新生北陵、小澤野球の表れのように思いましたが。」
小澤監督「そうですね。展開やバッターにもよりますが、必要があればやるということですね。」

管理人「今日は細野くん、齊藤健太くん、根本くんの3枚を投げさせましたが、これは当初の予定通りですか。」
小澤監督「いえ、やはりこれもそういう展開になったから、ということになります。」
 
管理人「さて、次戦は第1シードの藤沢翔陵が相手になりますが、何がポイントになりそうですか。」
小澤監督「まずは選手のモチベーションでしょう。強い相手と戦うためにはそのための準備が必要ですから。」

管理人「カギになりそうな選手は?」
小澤監督「4番の府川(この日はノーヒット)に活躍してもらわないといけませんね。」

さあ、待ち望んだ強豪私学との対戦。
監督も選手も、是非それを楽しんで下さい。期待しています!
 
相澤主将にプチインタビュー
 
管理人「ちょっとヒヤッとしましたね。」
相澤主将「そうですね。3回ウラは、ちょっと去年のことを思い出しましたが、去年はわけがわからないうちに9点取られてしまったのに較べて、今日はたったの4点だと思い直して、雰囲気も悪くならないようにしました。」

管理人「次戦の藤沢翔陵に対しては?」
相澤主将「正直、力では負けるので、いかにチャレンジャー精神を持って戦えるかがポイントだと思います。うちには失くすものはないので、翔陵さんの方がプレッシャーが掛かると思いますので。」

管理人「個人的に思うところはありますか。」
相澤主将「夏の大会には1・2年から出してもらってたのですが、今日初ヒットがようやく打てました(笑)。なので、あとは思い切っていくだけですね。」

その意気やよし!
頼りになるキャプテンが個としても力を発揮してくれれば、と切望しています。
 
  
中)2番手登板の齊藤健太(2年) 右)最後を締めた根本(3年)
 
 

 
7/12 鶴嶺1−3麻溝台 @サーティーフォー相模原球場
 
2016.07.16up
 
鶴嶺 小さな大エース8回零封 涙なき終焉
 

 
  
左から 先発・加部(2年)、キャッチャー・仲川(2年)、ファースト・小川(2年)
  
セカンド・窪田(2年)、サード・島田(3年)、ショート・益子(2年)
  
レフト・池田(2年)、センター・佐々本(3年)、ライト中西(3年)


初回攻防の明暗
 
鶴嶺高校・亀山監督は試合前日、初戦に背番号11の加部くん(2年)を先発させるという決断をした。

エースナンバーを背負う井口くん(3年)は大会2週間前の練習試合でのスライディングの際、左肩を亜脱臼したため、大事をとって加部くんで行けるところまで行くという考えに基づくものであった。

それが吉と出るか凶と出るか、試合が始まってみないことにはわからない。

鶴嶺は先攻。相手投手はパワーピッチャーの越くん。

立ち上がり、制球が定まらず、先頭の島田くんがストレートの四球で歩く。
当然、ここでは鶴嶺野球の根幹とも言えるバント戦術なのであるが、バントを失敗。
ランナーは二封された。
3番小川くんの打球はサードゴロゲッツーとなり、チャンスを逸した。

続く1回ウラ、先頭打者にライト前ヒットを打たれると、2番に送りバントを決められる。
3番打者をサードファールフライに打ち取って、二死となるが、4番のセンター前ヒットで先制を許す。

ここまでの流れは対照的で、麻溝台からすると願ってもない展開となった。

しかし、ここで流れを止めれば、相手に1点入ったとは言え、ゲームが動いたことで鶴嶺にもチャンスはめぐるものと思っていた。

てなことを考えていると、一塁走者が二盗に成功、その直後5番のセンター前ヒットで2点目を許してしまった。

さらに二死満塁と追い詰められたピントをどうにか凌いで初回を終えた。
2回オモテ、鶴嶺は二死から連打で攻めるも無得点。
バント戦術を前面に出すには必然無死・一死でのランナーが必要となるが、なるべく早いイニングでその状況を作りたいところだ。

2回ウラ、先頭打者にレフト線へのツーベースを打たれ、ピッチャー交替となった。
この時点で既に5本目のヒットだったのでしかたないところではあった。
 

 
マウンドに向かったエースナンバー井口くんが、失意の加部くんからボールを受け取った時の言葉がこれだ。

大会前、左肩亜脱臼のあとも「大会ではインコースをどんどん突いていきたい」とマウンドへの闘志を語っていた。

マウンド上の井口くんはその闘志を内に秘め、ある意味淡々と打者を打ち取っていった。
気が付いてみると、彼は2回無死からの実質8イニングを無失点に封じていた。

鶴嶺は7回オモテ、下位打線でのチャンスメークから池田くんのタイムリーヒットで1点返すのが精一杯で、無念の初戦敗退を余儀なくされた。

試合後、エースの目に涙はなかった。
「今の自分の力は出した」という矜持だったのかもしれない...

しかし、先発メンバー9人のうち6人が2年生という若いチームだったことを考えれば、大きな可能性を秘めた敗戦だったと言えよう。

特にこの夏、大きな借りを作った先発の加部くんに捲土重来を期してもらいたいと願っている。
 

毎年のことながら、鶴嶺の応援は控え選手・吹奏楽部・チア・一般生徒・保護者が一体化していて素晴らしかった
 
  
井口くんは大学でも野球を続けようという気持ちに傾いているとのこと。個人的には是非そうしてもらいたい...右は麻溝台の越投手
 
亀山監督談話
 
試合終了後、負けたチームの指揮官に話を訊くのはいつまで経っても慣れるものではないが、訊かないわけにもいかず...

管理人「加部くん先発についてはいつご決断を?」
亀山監督「最終的には昨日ですね。井口を先に投げさせて、ダメだった時は総崩れになる恐れがありましたので、加部で行けるところまで行こうと。と言っても、3回までもってくれればよいと考えていましたから、想定内とも言えますが。」

管理人「監督が常々仰っている“3点以内に抑える”というのは、実行できていました。」
亀山監督「そうですね。ほぼ狙い通りの試合展開ではありましたが、相手のパワーピッチャーを打ち崩すことが出来ませんでした。後半に見せ場も作れましたし、これで選手を責めるのは酷でしょうね。」
  
管理人「これを訊くには早過ぎるかもしれませんが、2年生主体のチームだったので、新チームに向けての楽しみもあるのではないでしょうか。」
亀山監督「そうですね。楽しみな選手も多いですし、争ってチーム力の向上に繋げたいと思います。今後ともよろしくお願い致します。」

部員が70名を超える大所帯。
3年生なきあと、残った部員は切磋琢磨して、鶴嶺野球の金字塔を打ち建ててもらいたいと切望している。