2016.06.21up
 
負けたらそこで終り(正確には、勝ち続けても終わる)という引退試合が近づいてくると、3年生たちはそれまでの自分の人生を振り返り、行く末を考えるようになる。

「その日」は必ずやって来る。

それをどう受け止めるか、によって、その選手の人生が変わるとさえ管理人は考える。

色濃く時間をそこに費やした者ほど、喪失感は大きくなろう。
何かが誰かによって試されているような感覚にもなる。

空白になってしまった場所を、別のピースで埋めてゆくという作業は、子供が大人になるための最も大切なレッスンである。

高校野球はその象徴であり、だからこそ1つ1つの試合が輝くのであろう。

鶴嶺・北陵とも部員が60名を超える大所帯ゆえ、この夏ベンチに入れない3年生も相当数いる。
管理人は特にそうした3年生たちにこそ、グラウンドで精一杯声を出し、少しでも自らの痕跡を残してもらいたいと切望している。

勝つことは全てではないが、勝つことによってしか得られないものもあるのは確かだ。
試合に出る者も出ない者も、気持ちを合わせてその目的に向かって欲しい。

今年も熱い夏を期待している。
 

鶴北戦から見えること
 
  
 
昨夏は2003年のこの部活ネット創設以来2度目(1度目は2010年)、北陵・鶴嶺両校がどちらも初戦敗退というせつない結果になった。

地域を代表するこの2校が初戦で姿を消すと、著しく盛り上がりに欠ける。

近所のお兄さんたちが集まって、力を合わせて勝ち上がることにより、徐々に大きなうねりが生まれるのを何度も目の当たりにしているので、つむじ風も起こらない夏はちょっと気抜けしてしまうのである。

さて、今年はどうだろうか...

スコアを見てもらえば勿論接戦であったことはおわかり頂けるだろうが、管理人は昨年までの鶴北戦とは違う感想を抱いた。

事前の取材で、北陵が前任の松島監督から小澤和之監督へと替わり、「バントも辞さず」という戦術へ舵を切ったことは知っていたのだが、こうした接戦ゆえ実際にバントを試み、そしてそれが得点に絡むという局面に出会ったのだ。

鶴嶺ではなく、北陵がバント(写真右)。

大袈裟に言えば『コペルニクス的転回』であった。

それ以外にも北陵の細野くん・鶴嶺の井口くんの両エースがしっかりと試合を組み立てる投球を見せたことは、両チームの監督にとっても大きな安心材料だったろう。

大会まで1ケ月というこの時期、戦力の核となる部分や試合を進める上でのグランドデザインの確認をするには、ひじょうに意義があったと想像される。

両チームの健闘を祈ります。
 
  
もちろん選手の保護者もたくさんいますが、両チームのファンや地域の野球好きも集まります



監督:亀山博人 部長:岩間昭吾

部員:73名(マネージャー6名) 初戦:7/12(火)麻溝台高校 於・相模原球場 13:30〜
 
ベンチ入りメンバー
 
 1.井口  雄大(3) 中島中 右・右
 2.仲川  友基(2) 大磯中 右・右
 3.小川  雅弘(2) 寒河中 右・右
 4.窪田  幸生(2) 大洋中 右・右
 5.島田  龍祐(3) 中島中 右・右
 6.益子  慎矢(2) 大谷中 右・左
 7.池田  唯人(2) 中島中 右・右
 8.佐々本圭吾(3) 松浪中 右・右
 9.中西  次郎(3) 湘洋中 右・左
10.大谷  悠真(3) 旭丘中 右・右
11.加部翔太郎(2) 鶴嶺中 右・右
12.佐藤  匠真(3) 山城中 右・右
13.大貫  英土(3) 大磯中 右・右
14.平山皓太朗(3) 藤沢一中 右・右
15.清水  亮太(3) 鶴が台中 右・右
16.大貫  湧己(3) 有馬中 左・左
17.諏訪  太一(3) 松浪中 右・右
18.幡野  智也(2) 春日野中 右・右
19.奈良  航希(2) 大磯中 左・左
20.景山    輝(2) 旭丘中 右・右
 
 
 


野球IQの高さが光るエース井口くん

 
徹底したバント戦術は不変。その前提は相手を3点以内に抑える守り
亀山監督にインタビュー
 

亀山博人監督が鶴嶺野球部に就任して8年目。

当初、夏の大会では勝てない時期もあったが、その後は安定した戦績を残している。

そこにはバント戦術(管理人命名『雨だれ野球』)に象徴される確率重視の野球により、「相手を3点以内に抑えて接戦をモノにする」という揺るぎない信念がある。

2012年夏の快進撃はそれを絵に描いたようだった。

1回戦 3−1相模原総合
2回戦 2−1三浦臨海
3回戦 3−2秀英

勿論、そこには安定した投手力と守備力が不可欠であるが、抜かりはない。

鶴北戦での安定した投球を見せたエース井口くんには経験値もあり、さらには左やや変則の平山くんと2年の本格派・加部くんも控える。

また、2年主体ではあるが、内野はセカンド窪田くんを中心にけして大崩れしない。

このことに支えられてこそ、ここぞという場面のバントも生きる。

 
管理人「今年は2年生中心のメンバー構成のようですが、そこに何らか心配の要因はありますか?」
亀山監督「大きな心配はありません。エースは3年の井口で経験もありますし。」

管理人「キャッチャーは主将の大谷くんではなく、2年の仲川くんが先発ですか?」
亀山監督「そうですね。肩なら大谷の方が上かもしれませんが、冬場ちょっと腰を痛めて、春は出られなかったということもあって。」

管理人「他のポジションで注目の選手、期待の選手は?」
亀山監督「まず、セカンドの窪田ですね。彼は平塚シニアでやっていたのですが、普通の守備が安定しているのはもちろん、こちらが思いもしないところへの送球をしてアウトを取ったり、常に広い視野で意図のあるプレーをしますね。一番難しいと言われるセカンドであれだけ動ける子は初めて見ました。」

管理人「投手陣はいかがでしょうか。さすがに井口くんだけでは厳しいでしょうから。」
亀山監督「今のところ、二番手は2年の加部に期待しています。少し体も出来てきましたし。あと、左の平山もかなり実戦で投げられるようになってきたので、うまく繋げればいいですね。」

管理人「今年は新たに岩間先生が部長になりましたが、監督とのコンビネーションはいかがですか。」
亀山監督「彼はとても謙虚で、教師としての姿勢も素晴らしいですね。生徒たちとも誠実に向き合っているので、これからより力を発揮してくれるものと思います。」

管理人「ありがとうございました。」

野球IQの高いエースと下級生たちとが一体になった時、鶴嶺野球が開花するという期待感があります。
是非、地域をも巻き込んだ盛り上がりを見せてもらいたいですね。
 

 
公立校から中京大野球部という経験を通して
岩間部長にインタビュー
 

今春新採用で鶴嶺高校に赴任された岩間昭吾先生(保健体育)は、愛知の安城東高校を経て、中部地区の名門・中京大へ進み、そこで野球も続けた。

管理人「選手時代のポジションはどこだったのですか?」
岩間部長「ずっとショートをやっていました。」

管理人「中京大と言えば相当の実績もある強豪校ですが、そこで野球をやるという選択はなかなか難しいものでもあったと思うのですが...」
岩間部長「将来的に保健体育の教師になりたいということと、強豪私学で野球をやってきた人たちと一緒に野球をやってみたいという気持ちがありました。」

管理人「実際に鶴嶺高校に赴任されて、現在どういった印象がありますか。」
岩間部長「素直で意識の高い子が多いという印象です。野球はもちろんですが、野球以外のことでも触れ合って、生徒と一緒に成長したいという気持ちが大きいです。」

管理人「野球部の部長として、どういう役割を意識されていますか。」
岩間部長「部長という立場というより、コーチに近いのかなと思っています。いろんな野球を伝えていけたらと願っています。」

管理人「生徒が行き詰った時などに、こういうことをしてあげたい、というものはありますか。」

岩間部長「結果が出ない時には練習するしかないのですが、与えられたものというよりは自ら考えて試してもらいたいですね。自主性はしても大切だと。そして、根拠ある失敗ならオッケーだと伝えたいですね。」

管理人「ありがとうございました。」

見た目もめちゃめちゃ若い新部長。
亀山監督とともに、鶴嶺野球部を盛り上げていって下さいね。
 

 
 的確な指示を出したい
キャプテンにインタビュー
 
キャプテンの大谷悠真くんのポジショシンはキャッチャー。

冬場、腰を痛め、春の大会に出られなかったが、かなり復調しつつあるとのこと。

管理人「キャプテンとして一番気をつけているのは何ですか。」
大谷くん「選手を束ねるには指示を的確に出すことが一番です。また、チームの方向性が『3点以内に抑えて粘り勝つ』ですので、守れる人・きっちりバント出来る人が試合で使われるということも伝えるようにしています。」

管理人「今年チームとして特にやっていることや夏の大会の目標があれば教えて下さい。」
大谷くん「3点以内に抑えても、こちらが0点では勝てませんから、逆方向に強く打つという意識で打撃向上を目指しています。夏の大会での具体的な目標というのは立てていないのですが、打倒強豪私学というのはあります。」

管理人「どこか意識しているチームはあるのかな?」
大谷くん「日大藤沢です。湘南地区ナンバーワンの力がありますから、どうすれば日大藤沢に勝てるのかを考えて練習するようにしています。」

管理人「個人的に頑張りたいことはありますか。」
大谷くん「ケガをしないことと、試合に出た時に守りで足を引っ張らないことです。創学館との試合で、バント守備のミスから大量点を取られたことがあって、そういうミスが出れば強い相手には勝てないことを思い知りました。」
 
管理人「最後に、これから鶴嶺高校を目指す中学生に何かメッセージをお願い出来ますか。」
大谷くん「部員が多く、選手主体のチームなので、高い意識を持って来て欲しいです。その意識を保てば、必ず得るものがあると思います。」

キャプテン、ありがとう!
 

 
オーディション,あり
マネージャーにインタビュー
 
鶴嶺高校マネさんのインタビューは昨年と同じ顔ぶれ。
しかし、当然のことながら2年生の時と今では心境も違うはず。
3年生になって、これまでと変わってきたことから訊いてみた。

管理人「3年生の夏の大会は格別なものがあると思いますし、野球を見る目も肥えてきたでしょうから、ここに来ての変化で気づくことがあれば教えて下さい。」
小澤さん「転がす意識で逆方向に打つという練習を繰り返しやっています。そのお陰でフライを簡単に上げてしまう人が明らかに減ったと思います。それと、そのせいなのかどうかはわかりませんが、4番の中西をはじめ、ホームランを含めて長打が出るようになりました。」
戸塚さん「選手の意識・責任感・技術が上がったかな、と。今年は先発メンバーに2年生が多いのですが、下級生たちが貪欲に自己主張する中、3年ゆえにもっとここでこそ頑張りたいという気持ちが前に出るようになって嬉しいです。皆、声も出るようになって、チーム全体がまとまってきたと感じています。」
 


 左)戸塚美玖さん 右)小澤未歩さん
管理人「君たちから見て、期待の選手は誰になるかな。」
小澤さん「セカンドの窪田くんです。まだ2年ですが、守りに関しては、セカンドに全部飛べばいいのにって思うほど安心感があります。」
戸塚さん「3年のピッチャーの平山です。意識が高く、常に陰でも努力しています。今ではA戦(注・高校の野球部では土日にダブルヘッダーで練習試合を汲む傾向があり、通例1戦目が主力どうしの対戦で、それをA戦と呼ぶ)での先発を任されることもあります。」

管理人「夏に向けての課題は何だと思いますか。」
小澤さん「意識や雰囲気の向上。守備が終わったあとなどの動き出しがテキパキ出来るといいですね。相手を3点以内に抑えて、得意のバントをきっちり決めたいですね。」
戸塚さん「自分にもっと自信を持ってやれるように。ミスがあると引きずりがちなので、気持ちを入れ替えて、よい雰囲気でやろうという意識を持って欲しい。特に投手陣にはそれを言いたいですね。」

管理人「では最後に。中学生に向けて、鶴嶺野球部のよさをアピールして下さい。」
小澤さん「東海大相模や浦和学院といった強豪私学とも練習試合が出来る公立校はあまりないので、素晴らしい経験が出来ます。皆で頑張ろうという雰囲気が溢れているので、是非来て下さい。」
戸塚さん「学年や経歴にとらわれないチームなので、1年生であっても試合に出るチャンスがあります。監督はそういうところもちゃんと見てくれます。マネージャーどうしも学年の壁を超えて、兄弟のような存在になれますよ。」

ありがとうございました。
鶴嶺野球部では今春、新1年のマネージャー志願者が6名もいて、2年生のマネさんたちが希望理由を訊いて、2名に絞ったとか。

世の中ではそれを「オーディション」と呼んでいます。

すげぇな、鶴嶺野球部!


陰にひなたに日奈太あり
学生コーチ鈴木日奈太くんにプチインタビュー
 
学生コーチの鈴木日奈太くんは現在日本体育大学の3年生。

3年前の卒業生で夏の大会では2年の時から活躍。2012年のベスト32の時にも主力として働いた。

コーチとしては主に下級生主体のBチームを率いて指導。自らも将来は野球の指導者になろうと頑張っている。

鶴北戦で1年ぶりに会った日奈太くんにプチインタビューしてみました。

管理人「ご無沙汰してました。現在チーム状態はどうですか。」
鈴木コーチ「攻守に2年生が大きく成長してきましたね。投手では加部が体が出来てきたのと、内野守備が堅くなってきたと思います。」

管理人「ポイントはどこになりそうかな。」
鈴木コーチ「うちの野球が『3点以内に抑えて接戦で勝つ』というものなので、投手リレーがうまく決まるかどうかが大きいと思います。先発井口のあと、左変則気味の平山を挟んで、加部で行ければ。」

ありがとう。コーチ業・学業ともに頑張ってね。
 



監督:小澤和之 部長:中嶋雄一

部員:62名(マネージャー6名) 初戦:7/14(木)平塚農業高校 於・平塚球場 13:30〜
 

ベンチ入りメンバー
 
 1.細野  優登(3) 大野中 左・左
 2.相澤    快(3) 明治中 右・右
 3.齋藤  光彦(3) 鶴嶺中 右・右
 4.藤村  一生(3) 浜須賀中 右・両
 5.府川  元輝(3) 江陽中 右・右
 6.古谷  勇樹(3) 西浜中 右・右
 7.内田  直哉(3) 大谷中 右・左
 8.長谷川大悟(2) 海西中 左・左
 9.笠井  大資(3) 片瀬中 右・右
10.石田  遼真(3) 梅田中 右・右
11.齋藤  健太(2) 明治中 右・右
12.中島    舜(2) 浜須賀中 右・右
13.根本  晃輔(3) 深沢中 右・右
14.中村  康伸(3) 湘南台中 右・右
15.浅野  一海(3) 梅田中 右・右
16.成沢  諒平(3) 松林中 右・右
17.長澤    周(3) 湘洋中 右・右
18.藤田  創海(3) 浜須賀中 右・右
19.黒木  有為(3) 赤羽根中 左・左
20.五十嵐匡人(2) 高浜中 右・左
 


鶴北戦完投の細野くん
 
蹉跌を超えて
 小澤監督にインタビュー
 
昨年まで12年に亘り、指導されてきた松島監督が去り、部長だった小澤和之先生が監督に就任。

教えているのは数学。北陵は4年目の39歳。

今回初めて取材させてもらいました。

管理人「初めまして。どうしても前任者との色の違いを伺いたくなりますが、意図して手を加えたのはどのあたりでしょうか。」
小澤監督「1つは練習の中にバントや小技を取り入れたことでしょうね。それと、守備練習に時間を割くようになったことでしょうか。」

管理人「そこにはどういった意図が込められていますか。」
小澤監督「ゲームをシミュレーションすれば、どうしてもランナーを確実に進めなければならない場面もありますし、スクイズをやる場面もあります。守りでミス出来ない場面もありますので。」

管理人「今年のチームのポイントになりそうな選手を挙げて頂けますか。」
小澤監督「まずは投手の細野ですね。彼以外にも根本・齊藤健太もいますが、細野の調子がどこまで戻るかが大きいですね。」
 
管理人「彼抜きには考えづらい?」
小澤監督「そうですね。経験値ということもありますが、左であれだけのセンスはなかなかいません。体のバランスを崩したり、肩を壊したりしたのを松島前監督がマンツーマンで矯正してくれましたが、どこまでコントロールが戻るか...。」

管理人「打撃陣に対する期待はいかがですか。」
小澤監督「トップバッターの藤村がいかに出塁してくれるかと、3・4番の府川・相澤がそれをどう返すか。特に府川は春調子を落としていたので、どこまで回復するか。彼のバッティングには期待しています。」

管理人「主将の相澤くんについてはいかがですか。」
小澤監督「意識が高く、周りを見る力もあって、キャプテンシーが高いですね。リード面・打撃面でも頼りになります。」

管理人「監督としては初めてのチームになりますが、夏の大会に向けて、何か目標はありますか。」
小澤監督「具体的な目標と言えるものはありませんが、まず目の前の試合に“勝つ”ということですね。主力の3年生たちは元気な子が多いので、乗せてあげて、力を発揮させられればと思います。」

管理人「ありがとうございました。」

6月11日、鶴北戦を細野くんの完投によって3−2の接戦で制したあと、小澤監督は「細野に尽きます。初戦の対戦相手も決まったので、明るく元気に頑張ります」とのことでした。

細野くんの復調が嬉しかったのか、ひじょうに優しい笑顔でした。

小澤監督は茅ヶ崎の出身で中学時代はかなり野球で鳴らしたのですが、わけあって高校で野球を続けることが出来ませんでした。
その蹉跌を乗り越え、今高校野球の監督であることが不思議な巡り合わせだと仰っています。

好きなことが出来る環境にある選手たちには「もっとガツガツやってもいいんじゃないの?」と伝えたいそうです。

すごくわかります、それ。

今後とも、よろしくお願い致します。
 

 
頼れるキャプテン。攻守で引っ張る
  キャプテンにインタビュー
 
キャプテンの相澤快くんは昨夏からの主力でポジションはキャッチャー。

昨年は春にけが(股関節炎)をしたのがたたり、本職のキャッチャーではなくファーストでの起用だった。

管理人「その後けがの状態はどうですか。それがとても気になっていましたが。」
相澤主将「(キッパリ)治りません。毎日接骨院に行き、トレーナーとリハビリしています。ただ、プレー中は痛みがほとんど出なくなりました。」

管理人「それは少しはよかったですが、あまり無理は出来ないですね。と言いつつも、4番でキャプテンで重労働の捕手ということになれば、そうもいってられない場面もありますね。」
相澤主将「はい。ケアして100%の調整を心掛けたいです。去年より痛みはないですが、スイングすると腰に痛みもありますので、量を少なくして質を上げるというやり方で乗り切ろうと思います。」

管理人「キャプテンの目線で見て、今年はどういうチームだと言えますか。」
相澤主将「投手陣は細野・根本・齊藤健太という3人で1ゲームを作ってゆくことになりますが、細野がどこまで投げられるかが大きいですね。」
 
管理人「勝ち抜いてゆくための最大の鍵ということですか。」
相澤主将「はい。強豪私学を倒そうと思ったら、彼の力は不可欠です。左本格派で変化球も多彩なので、ストライクが入るかどうか、ですね。フォームを少し変えて、ナーバスになっていた時期もありましたが、ようやく調子が戻ってきたと思います。
(編集・注:その後6月11日の対鶴嶺戦では細野くんが踏ん張って完投勝利。よかったね)

管理人「打撃についてはいかがですか。」
相澤主将「上位の藤村・内田が出られるかどうかが大きいですね。特に内田は能力はひじょうに高いので、彼がひと皮剥けると大きな武器になると思っています。」

管理人「今年、監督が松島先生から小澤先生に替わって変わった点はありますか。」
相澤主将「スクイズも含め、バントも多少やるようになって、攻撃の幅が出たように思います。その分打撃練習時間が減ったので、集中力が必要になりました。」

管理人「これからの残された時間での課題は何でしょうか。」
相澤主将「部員数が多いので、ベンチに入れない3年生が4名います。彼らが最後までベンチに入ろうと頑張ってくれたことが嬉しかったです。そういう思いをプレーで表すために、日々自分と勝負しろ、基本を大切に、1プレーに集中、ということを言っています。」

管理人「最後に、この夏の目標を聞かせて下さい。」
相澤主将「具体的な成績とかではないのですが、とにかく目の前の相手に勝つ、ということですね。」

管理人「ありがとうございました。けがのケアをしつつ頑張って下さいね。」

自らの言葉で語ろうとする姿勢は好ましく、また頼もしかったです。
最後の夏に一層輝いて下さい。
 

 
泣き虫まぁや,最後の夏
マネージャーにインタビュー
 
責任マネージャーは寒川東中学出身の後藤真彩(ごとうまあや)さん。

自らは中学時代はバレー部所属だったとのことだが、お父さんが少年野球の監督、弟さんも野球をやっているということで、野球に対する免疫があったのかもしれない。

管理人「野球部のマネージャーをやってて、辛いことや嬉しいことは何でしょうか。」
後藤さん「休みがなかったりするのは全く苦ではありません。北陵野球部は本当に人柄いい人たちの集まりなので、部員からいろいろと学ばせてもらっています。」

管理人「どんなところがいいのかな。」
後藤さん「皆、気配りが出来る。野球ということで言えば、道具に対する愛情やチームメイトへの思いやりなどです。」

管理人「野球のいいところって何だと思いますか。」
後藤さん「ゲームの勝負の行方が最後の最後までわからないところや、誰かのいいプレーでチーム全体が盛り上がって、ゲームに出ていない人も含めて皆でやっているという感じも素晴らしいです。」

管理人「これからの残された時間で特にやりたいことはありますか。」
後藤さん「あの...ネットを直したいです。以前も少しやったのですが...。もう代々使っているので、いろんな箇所が綻びているのですが、それを時間を取って直せたら、と思っています。目立つのはあまり得意ではありませんが、きれいにすると自分がいたことをちょっとした形に残せて嬉しいですね。」

このあたりで後藤マネの目が潤んでいる。
部や部員たちへの思いが涙という形で溢れて、止まらなくなったのだろう...(推測)
  
管理人「君は部の中でどういう存在だと思う?」
後藤さん「すごく大切にされていると思います。他の部のマネージャーの子たちからも羨ましがられています。自分としては、部員に必要とされる存在でありたいとずっと願っています。そして、『ありがとう』と伝えたいです。もうすぐこの場所に来なくなるなんて考えられないです...」

ここでまたしても落涙。
知らない人が見たら、いいオッサンが女子高生を泣かせているという図だと思うかも...(推測)

管理人「気を取り直して、将来は何になりたいとか、希望はありますか。」
後藤さん「子供にスポーツを教える仕事をしたいです。体育教室で体操を教えたり。なので大学もそうしたスポーツ学を学べるようなところへ行こうと思っています。」

管理人「では、最後に。これから北陵を目指す中学生にメッセージをお願いします。」
後藤さん「ここには自分の気持ち次第ですごく成長させてくれる環境が整っています。だから、是非目指して下さい。」

ありがとうございました。
インタビュー中に相手が泣いてしまうというのは、長い経験の中でも初めてでした(汗)。

強烈な印象を残してくれた後藤マネ。
また、勝利試合のあとでインタビューさせてね。
(でも、また泣くかもな...)
 

 
元気のもと
学生コーチ野元湧太くんにプチインタビュー
 
学生コーチの野元湧太くんは現在大学3年生。
鶴嶺高校コーチの鈴木日奈太くんと同学年。

高校時代は3年次に好投手池田くんを擁して快進撃、ベスト16にまで登り詰めた時の主砲である。
(詳しくはこちら

鶴北戦の試合前、久しぶりに会って、少しだけ話をさせてもらった。

管理人「大雑把で申し訳ないけど、今年のチームは野元くんから見て、どう?」
野元コーチ「細野の制球に尽きます。昨年の秋の地区大会、11月の市内6校戦で連敗していますし、第一試合は勝ちに行くしかないですね。」

管理人「他に気になる選手は?」
野元コーチ「根本がこのあいだ鎌倉高校を完封するなど、力をつけてきたのは明るい話題ですね。」

現キャプテンの相澤くん同様、選手時代は腰痛で本来のキャッチャーではなくファーストで出場していた野元くん、やはり投手のことがかなり気になっているようでした。

また、北陵グラウンドや試合会場でお会いしましょう。