A部門:06.07.29up ■B部門:06.07.29up

03年吹奏楽コンクール ■04年吹奏楽コンクール ■05年吹奏楽コンクール

管理人、採点新項目『ワクワク感』追加の夏
 
 またしても吹奏楽コンクールの季節が到来しました。

 実は昨年の取材の際、様々な事情から「コンクールに来るのはこれが最後かも...」という気持ちも少しあって(別に不治の病に冒された、というわけではありませんが)、かなり切迫感がありました。今年は精神的には少しだけ余裕があるように感じます。
(肉体的余裕はひとかけらもありませんけど...)

 この「部活.ネット」が継続できるよう、いろいろとご支援頂いた方々へ、また、励ましのメールを下さった方々へ、この場を借りてお礼申し上げます。

 さて、コンクールは演奏者にとって「勝負の場」であり、日頃の成果を出すため『この音ひとつに懸ける』ステージあることは間違いありません。取材する人間も、そのことはわきまえて臨みたいという気持ちと、純粋に音楽を楽しみたいという気持ちを抱いて、会場に入りました。

 勿論、恒例の「管理人独自採点表」持参です。

 毎年、自分の耳が腐っていないかどうかを確かめるという、管理人にとっても「勝負の場」であったりします。

 で、今年は「シンクロ性」「ダイナミックス」「安定感」の3項目(各10点満点)に加え、「ワクワク感」(A・A’・B・B’・Cの5段階)という項目を設け、接戦であった場合の参考に使おうと考える次第です。

 ちなみに、「ワクワク感」は得点ではなく係数で、A:1.2,A’:1.1,B:1.0,B’:0.9,C:0.8を合計得点に乗じます。特にB部門は大接戦が予想され、しかも県大会出場は2枠しかありませんので、この係数が効くやもしれません。
(と言いつつ、一体何に効くのやら...)

 ま、私が何点つけようと、大勢に影響はないわけですが、「素人が感動するのもは素晴らしい」という原始的発想に基づき、今年も独自採点を敢行致します。講評のようなものもちょっと書いたりしますが、あくまで個人レベルで述べることですから、出演当事者の方はあまり気になさらないで下さいね。

 それから、ちょっと心苦しいのですが、今回は写真専門のスタッフを準備出来なかった関係で、集合写真をお見せ出来ないチームもあります。ごめんなさいね。

7/28(金)A部門・・・少数激戦
 
 50人までの編成。それは知っていた。しかし、課題曲を演奏し始めてから自由曲を演奏し終わるまで、12分がリミット、というのは知らなかったぜ。

 いやいや、吹奏楽関係者にとっては周知の事実なんだろうが、素人にとっちゃ、ちょっとした驚きだ。

 今回、たまたまトップバッターだった茅ヶ崎高校の指揮者・内川裕子さんが部活ネットスタッフにインタビューで「タイムオーバーが気になります」と語ったことから、この規定を知ったわけである。

 で、表彰式終了後、吹奏楽連盟理事長で北陵の指揮者でもある丸山透先生(通称・とおるちゃん)に訊いてみると

 「そうなんです。だから、毎年課題曲が決まると、どの曲がどのくらいの長さか、ということから検討に入るわけです」

 というお答えが返ってきたりする。

 「ほぉ...」などと感心する管理人。しかし、よくよく考えてみれば、時間制限がなかったら、自由曲などで30分以上演奏、なんて事態もあるわけか...(ねえって?)

 そういうことも絡んで、自由曲の選曲にも時間の制約がついて回るそうな。あらゆる曲がコンクール用に5分とか6分という都合のよい長さに仕上がっているわけではないので、曲の一部を割愛せざるを得ないことも多いそうだ。

 こういうことって、やっぱり関係者に聞いてみないとわからんものだ。


 ...というわけで、A部門のことを少し書きます。

 今年は7チームの出場。うち3チームが県大会への出場権を得るシステムである。

 なんだ7分の3か、などと侮ってはならない。50名もの部員をステージに上がらせる学校は、ステージに立てない部員の存在も含めて層が厚いと言えるわけで、日頃からかなり鍛えられている。そういうチームが4チームも地区大会で涙を飲むとも言えるのである。

 少数激戦という言葉が相応しい。昨年は茅ヶ崎・北陵・日大藤沢が射止めた県大会への切符。さて、今年その激戦を潜り抜けたのはどこか....

A部門 管理人独断採点&短評

1.茅ヶ崎高校

課題曲V「パルセイション」(木下牧子作曲)
自由曲:ハリソンの夢(グラハム作曲)
 
 
◇管理人独断採点 
課題曲 (1)シンクロ性:8 (2)ダイナミックス:9 (3)安定感:7.5  総合得点:24.5点(昨年:24点)
自由曲 (1)シンクロ性:8.5 (2)ダイナミックス:9 (3)安定感:8  総合得点:25.5点(昨年:25点) 
  計50点(昨年:49点) ※ワクワク感:A

■短評(あくまで主観的に書いていますので、気になさらないで結構です)
 課題曲の出だしにやや不安定さを感じさせる場面もあったが、中盤以降は安定し、抑えたダイナミックスの中でも「ワクワク感」を醸し出す演奏だったのはさすが。自由曲は精度の高いシンクロ性を発揮。難曲であったが、それゆえの緊迫感ある演奏は感動的であった。また、曲の途中、無意識なのかもしれないが、打楽器パートが寄り添うようにして演奏する場面があり、「この音に懸ける」という想いが伝わるものであった。

2.慶應湘南高校

課題曲U「吹奏楽のための一章」(堀内俊男作曲)
自由曲:マゼランの未知なる大陸への挑戦(樽屋雅徳作曲)
 
 
◇管理人独断採点 
課題曲 (1)シンクロ性:8 (2)ダイナミックス:7 (3)安定感:7.5  総合得点:22.5点(昨年:未採点)
自由曲 (1)シンクロ性:8 (2)ダイナミックス:8 (3)安定感:8  総合得点:24点(昨年:未採点) 
 計46.5点(昨年:未採点) ※ワクワク感:B

■短評(あくまで主観的に書いていますので、気になさらないで結構です)
 数えたところ、ステージに上がっているのは38名(たぶん)。人数が少ないこともあって、どうしても音量という点では直前の茅ヶ崎高校と較べると厳しいが、その反面安定感がある演奏であった。自由曲では出だしの木管によるクレッシェンド効果は心を揺さぶるものがあり、トランペットソロも味わいがあって印象に残る。

3.湘南高校

課題曲T「架空の伝説のための前奏曲」(山内雅弘作曲)
自由曲:米国コロンバイン高校銃乱射事件を題材にした
     「神が愛なら、どうしてこんな悲劇が起こるのか?」
     And Can It Be? (キリングハム作曲)

      タイトル長いっすね...
 
 
◇管理人独断採点 
課題曲 (1)シンクロ性:8 (2)ダイナミックス:8 (3)安定感:8  総合得点:24点(昨年:24点)
自由曲 (1)シンクロ性:9 (2)ダイナミックス:9 (3)安定感:9  総合得点:27点(昨年:25点) 
 計51点(昨年:49点) ※ワクワク感:A

■短評(あくまで主観的に書いていますので、気になさらないで結構です)
 課題曲を聴いて「強く吹いているなぁ」 という印象を抱いた。これは吉と出るか凶と出るか五分五分という感じであったが、自由曲に入るや、ダイナミックレンジも広く、圧倒的動画感を与える演奏となった。鳴りのバランスもよく、特にパーカッションがシンクロ性を高みに導いていて、管理人の個人的ストライクゾーンにズバッと来た。絵画性高く、聴き終った瞬間、県大会確定と思わせるものであった。県大会で課題曲をどう演奏するのか、期待もある。ちなみに、クラリネットが11本だったように記憶するが、これは何か意図があるのだろうか...。そういう編成って、あまり見かけないぞ...

4.日大藤沢

課題曲V「パルセイション」(木下牧子作曲)
自由曲:劇組曲「バレンシアの寡婦」(ハチャトゥリアン作曲)
 
◇管理人独断採点 
課題曲 (1)シンクロ性:8 (2)ダイナミックス:7.5 (3)安定感:8  総合得点:23.5点(昨年:26点)
自由曲 (1)シンクロ性:8.5 (2)ダイナミックス:8 (3)安定感:8.5  総合得点:25点(昨年:27点) 
 計48.5点(昨年:53点) ※ワクワク感:A’

■短評(あくまで主観的に書いていますので、気になさらないで結構です)
 昨年の独自採点チャンピオン日大藤沢。期待感が大きかっただけに、昨年と較べてパーカッションのダイナミックス・キレが足りないように思えた。まとまりや安定感はさすがと言うべきものがあったが、管理人の好みである絵画性やワクワク感に欠けてかも。ただ、これは湘南高校の直後の演奏であったことを考慮すべきなのかもしれない。演奏順というのはかなりデリケートなものであろうし、違う演奏順序でもう一度聴いてみたかった。

5.湘南学園

課題曲U「吹奏楽のための一章」(堀内俊男作曲)
自由曲:リバーダンス(ウィーラン作曲)
 
◇管理人独断採点 
課題曲 (1)シンクロ性:7 (2)ダイナミックス:7 (3)安定感:7.5  総合得点:21.5点(昨年:未採点)
自由曲 (1)シンクロ性:7 (2)ダイナミックス:7 (3)安定感:7.5  総合得点:21.5点(昨年:未採点) 
 計43点(昨年:未採点) ※ワクワク感:B

■短評(あくまで主観的に書いていますので、気になさらないで結構です)
 全体的に音量が小さく、ちょっとしたスカスカ感があるように思えた。昨年は仕事の都合で聴きそびれてしまった湘南学園だが、一昨年の短評に書いた課題(スカスカ感・吹き出しの1音目の不安定さ)が完全には克服されていないのかも。逆に言えば、それを克服した時、大きな成長を見せるバンドだという期待感もある。頑張れ、湘南学園!

6.鵠沼高校

課題曲U「吹奏楽のための一章」(堀内俊男作曲)
自由曲:第T組曲 作品28−1(ホルスト作曲)
 
◇管理人独断採点 
課題曲 (1)シンクロ性:7 (2)ダイナミックス:7 (3)安定感:7  総合得点:21点(昨年:21点)
自由曲 (1)シンクロ性:7 (2)ダイナミックス:7 (3)安定感:7  総合得点:21点(昨年:21点) 
 計42点(昨年:42点) ※ワクワク感:B’

■短評(あくまで主観的に書いていますので、気になさらないで結構です)
 昨年に続きA部門でのチャレンジ。正直言って、音量の劇的変化には乏しく、音が弾けない印象で小ぢんまりしているが、キレを感じさせてくれる場面もあって、来年以降に期待を抱かせてくれる。勿論、どういう人材が入学するか、ということにも左右されるのだろうが、コントラバスがなく、全体的に低音が足りていないという編成からの脱却が望まれるのかもしれない。

7.北陵高校

課題曲U「吹奏楽のための一章」(堀内俊男作曲)
自由曲:「GR」より シンフォニック・セレクション(天野正道作曲)
 
 
◇管理人独断採点 
課題曲 (1)シンクロ性:8 (2)ダイナミックス:8 (3)安定感:8  総合得点:24点(昨年:24点)
自由曲 (1)シンクロ性:9 (2)ダイナミックス:9 (3)安定感:9  総合得点:27点(昨年:25点) 
 計51点(昨年:49点) ※ワクワク感:A

■短評(あくまで主観的に書いていますので、気になさらないで結構です)
 コントラバス3本を含め、演奏者が他校より横に広がっている印象で、まず視覚的に勝利している。これって、意図的なものなのだろうか...。課題曲は最初のうち、わざと抑えて演奏しているのかと思える音量であったが、中盤以降、メリハリが出て、北陵らしさを感じさせた。で、自由曲は冒頭からトランペットが懐かしさを醸し出すソロで、管理人は虚を突かれた。パーカス軍団+金管は大音量で緊張感を演出し、木管は限りなく優しい音色を奏でようという意志を感じさせた。メリハリ感MAXで、湘南に続き、県大会出場確定を思わせる素晴らしい演奏であった。

A部門 本当の審査結果
 
■金賞
 茅ヶ崎 湘南 日大藤沢 北陵

 上記のうち、茅ヶ崎・湘南・北陵が県大会へ

■銀賞
 慶應湘南 湘南学園

■銅賞
 鵠沼


 県大会出場校については、本物の審査員の皆さんの採点結果と管理人の採点結果がびたっとシンクロ致しました!

 実は、28日は起床した時点からひどい頭痛がしており、一時は「今日は音楽を聴ける状態じゃないかも...」と弱気になったりもしましたが、何しろ年に一度のコンクールを逃亡するわけにもいかず、根性で出掛けました。
(素晴らしい演奏を聴かせてもらったおかげで、今はすっかり回復しております)
 
 採点や賞の決まり方などについて、こっそり仕入れた情報については、B部門終了後に発表する予定です。請うご期待!

 29日のB部門に参加される皆さん。A部門の人たちに負けない気持ちで、精一杯の演奏をして下さいね。管理人は懲りもせず、出掛ける予定です。楽しみにしていますよ。

A部門インタビュー1 茅ヶ崎高校指揮・内川裕子さん
 
Q:今日の出来はいかがでしたか?
A:音を出してから終わるまで、全部で12分以内でないといけないのですが、タイムオーバーが気になります。
Q:昨年は県大会へ行きましたが、今日の手ごたえは?
A:タイムがOKだったとしても、演奏には満足していません。難しいと思います。

Q:コンクールで目標にして来たことは?
A:とりあえず地区でいい演奏を聞かせることです。

Q:課題曲と自由曲では、どちらが先に決まるのでしょうか?
A:課題曲です。
Q:自由曲の選曲は?
A:今日のメンバーでやりたい曲を。私が指揮をするようになって今年で3年目なので、今の3年生は1年生の時から見ています。この曲は難易度がすごく高いです。

Q:練習時に気をつけたことは?
A:この団体は、まとまりが悪いんです。私が怒って、振らないと断言したんです。気持ちが合わないというか、コンクールに向かって何をしたら良いか、音楽的にまとまらない。
課題曲が気の抜けるところが無く、緊張感を保つのが難しい。
振らないと怒って、その後ようやく音楽作りに入りました。期間が短かったです。

Q:部長はもう交代しましたか?
A:3年と2年と同時進行です。

Q:音楽で伝えたいことは?
A:演奏を聴いて感激、感動してもらいたい。

Q:お疲れのところ、どうもありがとうございました。いい結果が出るように祈っています。
A:ありがとうございます。
 

 まずは県大会出場おめでとうございます。定演の際には「関東までは行く」という力強い言葉も頂いたのを記憶しています。B部門の指揮も頑張って下さいね。
 

A部門インタビュー2
湘南高校指揮・小澤篤さん、部長・長谷川さん&学生指揮・福田くん
 
Q:今日の出来はいかがでしたか?
小澤さん:「いつも通り」を最高の出来としています。
Q:今日は最高ですか?
福田君&小澤さん:ま、最高ですね。

Q:コンクールで目標にしてきたことは?
福田君:県大会ということよりも、この曲で音楽をしっかり伝えたい。

Q:課題曲の選曲のプロセスをお聞かせ下さい。
小澤さん:とりあえず4曲とも聴いてみて、最終的には部員による投票ですね。民主主義に則って、私も1票投じました。

Q:自由曲は、どうしてこの曲に?
小澤さん:いろんな曲から1番心に残る曲。インパクトがある。
Q:事件を題材にした曲ということで、所謂「きれいな曲」とは違う難しさはありませんでしたか?
小澤さん:そうですね。賛美歌を題材にした曲で、平和な毎日が、突然崩れることによって、社会が間違った方向に行ってしまう。でも、最後は再び平和な方へと、曲が変わります。作曲者の願いが入っていると思います。

Q:練習時に気をつけた点は?
福田君:体調管理です。
長谷川さん:水分補給も。

Q:音楽で伝えたいことは?
長谷川さん:みんな音楽を好きで楽しくやっているので、音楽を好きっていう気持ちを伝えたい。
小澤さん:個人的考えですが、密閉されたコンサートホールで、お客さんと時間を共有し、たった今しかない、その時間が世界一素晴らしい時間・場所でありたい。15分経ったら、もう違う。一期一会です。

Q:3年生が一人もいないということですが。
福田君:3年生は、体育祭に燃えています!

Q:以前、確かディズニーランドで演奏していると伺いましたが、今もやっているのでしょうか?
小澤さん:今年は忙しくてまだなんですけど、またやると思います。

Q:お疲れのところ、どうもありがとうございました。良い結果が出ることを祈っています。
A:ありがとうございます。
 

 県大会出場おめでとうございます。1・2年生のみの編成という中で、素晴らしい音を聴かせてもらいました。県大会での健闘をお祈り致します。

A部門インタビュー3 北陵高校指揮・丸山透先生
 
Q:県大会出場おめでとうございます。しかし、以前から県大会ということにではなく、どういった得点をもらえるか、ということを目標にされていましたね。
A:ええ。審査員の方が7名。課題曲・自由曲それぞれで技術と音楽性を10点満点で採点されるので、計280点が満点です。このうち、10点はおこがましいので、全部9点取ろう、ということで、252点を目標としていました。
 
Q:結果はどうでしたか?
A:ええ、ピッタリ252点でクリアしましたね。8点もありましたが、10点を頂いたところもありました。ありがたいです。

Q:どういう点に気をつけて練習されましたか?
A:いろいろと気になる点はありましたからね。ただ、本番ではまずまず、70点くらいはあげてもよいかと思います。課題曲については、音量バランスを考えましたね。

Q:課題曲・自由曲についてはどのように決められたのですか?
A:課題曲4つのうち、Tは私がフレーズ的にあまり好きではない、Vは音楽的に深くて北陵には向かないのではないかと、そしてWは技術的に難しく、大学生・社会人向けであるなあと。消去法的になりましたね。
自由曲は土屋くん(パーカッション指導。今春の定演では1曲指揮を務めた)が持って来て、そんじゃやってみようかと。


Q:土屋さんの存在もかなり大きくなってきましたね。
A:そうですね。

Q:今年はBも期待大だと聞き及んでいますが...
A:そうです。音楽をやっていて楽しいという音が伝わりますね。音を出したいという気持ち、表現したいという気持ちが伝わるバンドです。これまでも「巧い」Bはありましたが、今年のような「気持ちが出る」Bは初めてですから、期待したいですね。

Q:Aの方は県大会ではどんな演奏をしたいですか?
A:とにかくもっと精度を上げた演奏ですね。

Q:最後に。音楽を通じて生徒や聴衆に伝えたいことは何ですか?
A:そりゃもう「愛情」しかありませんよ。ボクが生徒たちに愛情を伝え、生徒たちが聴く人たちに愛情を伝える。世の中を見ていても、愛情が足りないから起こる事件が多いですしね。音楽をやるからには、愛情を伝えることが最も大切だと思います。

Q:ありがとうございました。明日のBでも期待していますね。

 というわけで、湘南吹奏楽連盟理事の大役と北陵の指揮者という異なる顔を同じ日に使い分けるという技をすっかり体得している透ちゃんでした。

 B部門も相当期待していますぜ!



7/29(土)B部門・・・それは涙か雨か...?
  35人までの編成に『フェスティバル部門』誕生。その余波でさらに狭き門に
 
 
 いやぁ、実は不思議に思っていたことがありまして。皆さんはそうでもないっすか?

 それは、湘南地区B部門の県大会への出場校数のことです。記憶が正しければ、一昨年までは「3」という枠が確保されていたはず。それが昨年、「2」に減ったわけですが、昨年はあまり違和感を抱かなかったわけです。というのも、昨年は寒川高校と鵠沼高校がB部門からA部門へと移動し、A部門の枠が「2」から「3」に増えた、という至極わかりやすい図式があったからです。

 ところが、今回、寒川がAからBへ再度移行したにもかかわらず(但し、藤嶺藤沢が今年は不出場でB部門参加校数の増減はなし)、枠は「2」で変わらず。これって何か理不尽だ。

 で、この件について、またしても全スケジュール終了後、吹奏楽連盟理事長でもある北陵・丸山透先生に訊いてみました。すると...

 「話せば長いのですが、昨年から35人までの編成に『フェスティバル部門』というのが出来まして、県内7地区からそれぞれ1チームが出られるというシステムになったわけです。ところが、35人までの編成で県大会で演奏できるチーム数は35に決まっていて、『フェスティバル部門』に出場校を出す・出さないにかかわらず、湘南地区からは『演奏のみのチーム』の割り当ては「2」と決まっているんですよ。」

 とのこと。

 つまり、その『フェスティバル部門』 を含めれば「3」という枠になるところであるが、わが湘南地区は全チーム『演奏のみ』で勝負することを決意していた、ということなのだそうだ。

 そのことを鑑み、丸山先生は「来年は北陵のBはフェスティバル部門で出ますよ。今年のように1年生でステージに上がれない子がいると可哀相ですしね。要は楽器さえ使わなければいいわけで、声とか踊りなら何人使おうと構わない、というのが『フェスティバル部門』ですから。」とも仰っていた。

 ん〜、湘南地区ではその枠を返上して、『演奏のみ』のチームをもう一つ県大会に送ってあげたいものだ...。でも、ダメだそうです。

 そんなウラ事情(?)もあり、昨年から3位のチームは県大会へは出場できなくなった模様。バラエティを持たせるために、門戸開放するのも悪くなかろうが、何か釈然とはしない...。

 しかし、現実は現実として受け止めてゆくしかなく、B部門に挑んだチームの演奏を真摯に聴かせてもらった。狭き門ゆえ、それは実に味わい深く、管理人は最後には大きな感動を得ることになるであった。

場外にもドラマ
 
  
(左)高倉中学の橘田誠司先生。相変らずダンディ。前日のA部門・茅ヶ崎高校の演奏について「変な喩えですが、茅高は美人ですね。だから、時々おならをしちゃっても許されるというか。独自の音がありますね。」とコメントを下さいました。
(中)B部門開始直前、雨が...。これがドラマの始まりだったのかもしれない。
(右)県大会出場を逸して、泣き崩れる部員も....

B部門 管理人独断採点&短評

 予想していたこととは言え、採点は困難を極めるものであった。何しろ、自由曲一発勝負であり、それに懸けてきたチームが10校出てくるわけで、それだけでも十分に採点にはプレッシャーも掛かる。そして、甲乙つけ難いチームもいくつかあり、それが県大会出場のボーダーラインと重なったりするから恐ろしい。

 しかし、管理人はこの夏、B部門でも県大会出場チーム2つをピタリと正解。いよいよ図に乗ること間違いなし。来年の今頃は音楽評論家として生きているかもしれないぜ。
(ないない...)

 ちなみに、B編成では恒例の「演奏人数」「そのうちの男子の数」を今年もカウントしてみた。ただ、年々老眼が進行し、尚且つ小学生時代からの筋金入りの乱視もあり、さらに言うと、男だか女だか見分けがつかない子もいるので、絶対に正確とは言い難いっす。悪しからずね。

1.大清水高校

演奏曲:スペインの歌より(アルベニス作曲)
 
 
◇管理人独断採点 
(1)シンクロ性:6 (2)ダイナミックス:6 (3)安定感:6  総合得点:18点(昨年:15点)
 ※ワクワク感:B’

◇メンバー数:8名 うち男子:1名

■短評(あくまで主観的に書いていますので、気になさらないで結構です)
 一昨年より昨年、昨年より今年と間違いなく進歩している学校のひとつと言える。パーカッション2・トロンボーン1・サックス3・フルート1・ユーフォニウム1という編成では、当然演奏できる曲も限られてくるだろうが、その中では大健闘だったのでなかろうか。あくまで個人的印象であるが、「砂漠の中を歩く情景」が浮かぶような終盤の演奏であった。
(それが演奏意図とは全く違ったらごめんなさい...)

2.アレセイア湘南高校

演奏曲:そして天使は告げた(丸尾佳代作曲)
 
 
◇管理人独断採点 
(1)シンクロ性:5.5 (2)ダイナミックス:6.5 (3)安定感:5.5  総合得点:17.5点(昨年:19点)
 ※ワクワク感:B’

◇メンバー数:21名 うち男子:1名

■短評(あくまで主観的に書いていますので、気になさらないで結構です)
 最初のブレイク時の残響音でチューニングが気になった。中盤はしっかり音を出そうという意識から、メリハリのある演奏となっていた。チューバ・トランペット・フルートとソロが続くところは、おそらく聴かせどころだったかと思うので、技術の巧拙はともかく、楽しく(少なくとも見た目は)吹いてくれるとよかったなぁと。

3.日大藤沢高校

演奏曲:ホープタウンの休日
 
 
◇管理人独断採点 
(1)シンクロ性:6 (2)ダイナミックス:7 (3)安定感:6.5  総合得点:19.5点(昨年:涙の未採点)
 ※ワクワク感:B

◇メンバー数:32名 うち男子:5名

■短評(あくまで主観的に書いていますので、気になさらないで結構です)
 音程の乱れと音の締まりをやや欠いたのは惜しまれるが、将来性を感じさせてくれるバンドであった。できれば、パーカッションをもう少し中央寄りに配置してもらいたかったように思う。聴こえ方のバランスの問題だが、実はそれはひどく大きな問題だったりするのでさ。

4.寒川高校

演奏曲:吹奏楽のための「風の舞」(福田洋介作曲)
 
◇管理人独断採点 
(1)シンクロ性:8.5 (2)ダイナミックス:8.5 (3)安定感:8.5  総合得点:25.5点(昨年:24点 但し、昨年A部門自由曲を採用)
 ※ワクワク感:A

◇メンバー数:32名 うち男子:4名

■短評(あくまで主観的に書いていますので、気になさらないで結構です)
 抑えのきいた出だしは安定感高く、聴く側に安心を与えてくれる。場面転換も巧みで、パーカッション・木管・金管のバランスもよく、キレ・残響も問題なし。さらに言うと、指揮者に合わせて演奏者の体も揺れて、シンクロ性も高いと見ました。というか、これについては管理人の個人的ストライクゾーンに決まったと言うか...。ただ、まだあとに「濃い」チームも控えているので、各得点を8.5に抑えておきました。昨年Aを経験し、そこで銀賞となった悔しさを晴らす演奏だったことは間違いないかと。

5.藤沢高校

演奏曲:たなばた(酒井格作曲)
 
 
◇管理人独断採点 
(1)シンクロ性:7.5 (2)ダイナミックス:7 (3)安定感:7  総合得点:21.5点(昨年:20点)
 ※ワクワク感:B

◇メンバー数:31名 うち男子:0名

■短評(あくまで主観的に書いていますので、気になさらないで結構です)
 最初を聴いた段階で、明らかに昨年よりよくなっている感じがした。聴きながらその原因を考えるに、「しっかり吹いている」ということが伝わるからという結論に至る(この間約7秒)。音量的にも出せるようになり、成長が見え、好ましい。敢えて難点を言えば、全体の音量が小さくなったところでのバランス・安定感といったところかと。ラストのブレイクもピタリと着地。心地よい演奏だった。

6.西浜高校

演奏曲:ハート・オブ・ダークネス(ロペツ作曲)
 
 
◇管理人独断採点 
(1)シンクロ性:7 (2)ダイナミックス:8 (3)安定感:7  総合得点:22点(昨年:22点)
 ※ワクワク感:A’

◇メンバー数:35名 うち男子:8名

■短評(あくまで主観的に書いていますので、気になさらないで結構です)
 昨年、初のフルメンバー&金賞。さらに伸び代もあるという印象だった西浜。楽曲も編成にマッチしており、メリハリを出せるバンドになってきた。パーカッションがやや前に出過ぎというイメージもあったが、数年前なら考えられなかった曲・スタイルでドラマ性を表現できるまでに仕上がっており、管理人は感慨深かった。最後まで吹ききったという印象。県大会には届かないかもしれないが、今年も金賞には届く可能性あり、と見ました(ちなみに、管理人独自採点では昨年と同じ得点です)。

7.茅ヶ崎高校

演奏曲:ザ・ライト・オブ・ドーン(スウェアリンジェン作曲)

 
 
◇管理人独断採点 
(1)シンクロ性:7 (2)ダイナミックス:7 (3)安定感:7.5  総合得点:21.5点(昨年:22点)
 ※ワクワク感:A’

◇メンバー数:15名 うち男子:1名

■短評(あくまで主観的に書いていますので、気になさらないで結構です)
 今回登場した10チームの中で最も評価が難しいのがこの茅ヶ崎高校であった。何しろ、演奏前の椅子の配置からして奇妙であり、演奏が始まっても空席になっている椅子がある。あ〜、せめてこういうのは写真で伝えたい気がする。で、曲は15人という少ない編成から、2つ以上の楽器を掛け持ちする子もいたり、ハンドクラップが入ったりで、ビジュアル的にはもしかしたらナンバーワンかも。専門家の方々と評価が乖離する恐れがあるなぁ...。

8.北陵高校

演奏曲:風紋(保科洋作曲)
 
 
◇管理人独断採点 
(1)シンクロ性:8 (2)ダイナミックス:8.5 (3)安定感:8  総合得点:24.5点(昨年:22点)
 ※ワクワク感:A’

◇メンバー数:35名 うち男子:4名

■短評(あくまで主観的に書いていますので、気になさらないで結構です)
 「期待大」の1年生チーム。管にちょっとした乱れも感じたが、音量が大きくなっても吹き急ぐことなく盛り上げ、1つ1つの音を適当に吹かず、底を支える音をしっかり聴いてもらおうという姿勢は、将来性を感じさせる。ラストもピシッと決まり、さらには演奏終了後の立ち姿はA部門を含め、今大会で最も美しかった、ということを加えておきたい。

9.藤沢西高校

演奏曲:クラブ・ヨーロッパ(エレビー作曲)
 
 
◇管理人独断採点 
(1)シンクロ性:8.5 (2)ダイナミックス:8.5 (3)安定感:9  総合得点:26点(昨年:25点)
 ※ワクワク感:A

◇メンバー数:35名 うち男子:4名

■短評(あくまで主観的に書いていますので、気になさらないで結構です)
 出だしから、力みもなく、爽快感がある演奏で安心して聴ける。部員たちは勿論多少緊張はしていたのだろうが...。シンクロ性・メリハリともに「効いてるぜ」という感じにさせてくれる。うまく言葉に出来ないが、同一フレーズを輪唱のように複数のチームが追いかけてゆくところ(伝わっているかが心配だ)は、息もピタリと揃っており、まとまりはピカ一。完成度も高いと見ました。県大会有力候補っすね。

10.鶴嶺高校

演奏曲:マリアの7つの悲しみ
 
 
 【管理人より】
諸事情により、鶴嶺高校へのコメントは控えさせて頂きます。

B部門 本当の審査結果
 
■金賞
 寒川 茅ヶ崎 北陵 藤沢西 鶴嶺

 上記のうち、藤沢西・鶴嶺が県大会へ

■銀賞
 日大藤沢 藤沢 西浜

■銅賞
 大清水 アレセイア湘南


 県大会出場校については、昨日のA部門に続いて本物の審査と合致したわけですが、あと1チーム(管理人独自採点では寒川高校)県大会に行かせてあげたかった。

 それにしても、最後に登場した藤沢西・鶴嶺の演奏は本当に素晴らしかった。県大会では、さらに磨きをかけて、湘南地区の音を響かせてきて下さい。
 

B部門インタビュー1 寒川高校指揮者・岡田寛昭さん
 
Q:今日の出来はいかがでしたか?
A:70点です。
Q:指揮者は、厳しい?満足はしないのでしょうか?
A:いや、厳しくないです。音程が乱れました。普段の力を100%出せませんでした。心で気持ちよく演奏すると、頭を使うことを忘れてしまうんです。

Q:コンクールで目標にして来たことは?
A:オール満点です。

Q:現在部員は何名ですか?
A:32名です。

Q:今日はどのような思いで、ステージに上がられましたか?
A:去年の悔しかった思いを胸に。去年、県大会に行けませんでした。一生懸命やった3年生を県に行かせてあげたかった。

Q:今回の曲はみんなで決めたのですか?
A:ほとんど僕が一人で決めました。定演の曲をやろうかと思ったんですけど、打楽器の人数が少なくて出来ませんでした。この曲は、3年前のAの課題曲なんです。Aに再チャレンジという気持ちがあるのかもしれません。でも、本当はあんまり深く考えていないんです。

Q:練習時に気をつけたことは?
A:生徒が退屈するような、つまらない時間を作らないことです。生徒ではなく、僕自身が気をつけることです。

Q:音楽で伝えたいことは?
A:音楽は空間支配だと思っています。会場のお客さんと一体になって、音楽を一緒に楽しみましょう。

【管理人より】
 実に素晴らしい演奏だったと思います。来年は再度A部門に復帰という噂もありますが、AにせよB にせよ、「部活.ネット」では応援し続けることをお約束します。

 泣き崩れていた部員たちも忘れられません。陳腐ではありますが、頑張って下さい。


B部門インタビュー2 西浜高校指揮者・渡邊良子先生
 
Q:今日の出来はいかがでしたか?
A:おとなしかったです。練習の元気がちょっと無かった。

Q:コンクールで目標にして来たことは?
A:金賞をとって県へ。
Q:今回の曲はどのように決めたのですか?
A:私が決めました。

 
Q:現在部員は何名ですか?
A:39名です。
Q:そうすると、4人だけ出られないことになりますね。
A:初心者の子たちです。

Q:確か昨年は、このコンクールで3kgダイエット出来たと仰っていたと思いますが、今年は?
A:今年はちょっと涼しかったので、ダイエット足りないんです。いつものスーツが入らないんです。(笑)

Q:練習時に気をつけたことは?
A:チューニングです。普段は冷房なしの30度の音楽室で練習していますが、ステージは空調が効いています。毎年夏は大変なんです。耳だけが頼りです。でも、今年は少し涼しかったので有難かったです。

Q:音楽で伝えたいことは?
A:今回の曲は2001年の同時多発テロを題材にした曲なんです。亡くなった人たちへの祈り、立ち上がる人々への希望。私は、メッセージ性のある音楽が好きなんです。曲の中で祈る、自分たちも祈る気持ちを込める。
希望というのは、西浜にとって大きなものなんです。少なかった人数が増えて来て・・・。頑張れば叶う、諦めずに。
Q:先生のお話には、いつも精神性が感じられます。それは、生徒の皆さんにも伝わっていると思います。

A:ありがとうございます。
Q:お疲れのところ、どうもありがとうございました。

【管理人より】
 いよいよ西浜サウンドと呼べるものが出来てきたように思います。「オチャメ改めムチャメ」良子先生のこれからの大活躍を祈ります。

 演奏会のお知らせ、また下さいね。


B部門インタビュー3 茅ヶ崎高校指揮者・内川裕子さん
 
Q:昨日に続き、お疲れのところすみません。今日の出来はいかがでしたか?
A:緊張には勝てたかな。昨日に比べればいいです。良い緊張を良い方向へ持って行けました。

Q:コンクールで目標にして来たことは?
A:音楽を楽しむことです。

Q:今回の曲はどのように決めたのですか?
A:私が指定しました。

Q:AとBで、内川さんの要求はどのように違いますか?
A:レベルが全然違いますから。Aはやや重たいプレッシャーがありますが、Bは1年生ならではのプレッシャーの気楽さを利用して、楽しむことを覚えられたらと思っています。

Q:練習時に気をつけたことは?
A:(即答で)音程です。曲が単純なので、音程をちゃんと取れるようにするということです。基礎が曲に表われます。

Q:Bの1年生に、音楽で伝えたいことは?
A:思いやりです。言葉では出来ないものを音楽で伝える。仲間を大切にする。3年間を通して伝えられたらと思っています。

【管理人より】
 プレッシャーを楽しむ、というのは大変ですが、Aでの県大会、是非そのプレッシャーとうまく付き合ってきて下さいね。期待しています。


B部門インタビュー4 北陵高校指揮者・丸山透先生
 
Q:今日の出来はいかがでしたか?
A:60点です。ちょっと厳しいです。経験が足りない。
Q:高校に入ってから始めたということですか?
A:そういう子もいますし、楽器が変わった子もいます。ちょっと、空回りしたかな。

 
Q:コンクールで目標にして来たことは?
A:126点です。
(編集・注 7名の審査員が技術・音楽性をそれぞれ10点満点で採点した計140点満点のうちの得点を指しています)

Q:今回の曲は、先生がお決めになられたのですか?
A:そうです。

Q:先生がAとBに求めるものは違うと思いますが。
A:Aはこれが最後という3年生もいますから、突き詰め、悔いの無いように。Bは来年に繋がる演奏をということです。

Q:練習時に気をつけたことは?
A:まず基本に忠実にやらないと。ベテランでソロをやらせれば表現できる子もいますが、初心者もいるので、上手な子が突っ走ると、バランスが崩れます。とにかく、経験者も未経験者も関係なく、基本に忠実に。

Q:Bの1年生に音楽で伝えたいことは?
A:上には上がいますよ、ということです。

Q:お疲れのところ、どうもありがとうございました。
A:ありがとうございました。

【管理人より】
 B部門の県大会枠減少のからくりを教えて頂き、ありがとうございました。

 また、今年のコンクールの特筆すべきチームが「北陽中B」「茅ヶ崎高校B」という即答、丸山先生ならではですね。音楽は人数ではない、そのことは管理人も心に留め置きたいと思います。


コンクールこぼれ話
 
 以前から管理人が気になっていることや、このコンクールで新たに湧いた疑問について、素人見解と決定的解答をお伝えします。時間のある方はちょこっと読んでみて下さいな。
(B部門の県大会出場枠減少については、B部門冒頭をご参照下さい)
 

その1 金・銀・銅の決まり方
 
管理人は何を以って「金賞」「銀賞」を定めるのか、ちょっとわからなかったわけです。考え得るものとして

@得点が何点以上なら金、といった具合に最初から決まっている。
(これを名付けて「絶対評価方式」と呼びたい)

A金賞を獲れるチーム数が予め決まっている。
(これを「定数方式」と呼称する)

 で、実はそのいずれでもなかったりするらしい。
(おぉっ、せっかく名前までつけたのに...)

 あくまで、湘南地区だけのことかもしれないが、「各校で得点が詰まっている時は、それらの学校全てに金を与え、得点が離れていると、そのグループ全体が銀や銅になるわけです」と、丸山透理事長から漏れ聞きました。

 予想ハズレまくりの管理人でした...
 
その2 データで見る「吹奏楽に於ける男子の地位」
 
 吹奏楽というのは、ある意味不思議である。というのも、男女の性別に関係なくコンクールなどが行われるからである。
(えっ?当たり前ってか?)

 いやいや、スポーツの世界ではほとんどの競技が男女別に行われているのが現状だ。
(管理人の知る限り、オリンピック種目では「馬術」だけが男女混合)

 で、今年はB部門だけでなく、実はこっそりとA部門でも各チームに存在する男子の数をカウントしてみたりしていた。結果は以下の通り。
(数え間違いがあったらごめんなさい。B部門は男子数/総数)

■A部門
 茅ヶ崎9 慶應湘南4 湘南10 日大藤沢8 湘南学園8 鵠沼2 北陵11 

■B部門
 大清水1/8 アレセイア1/21 日大藤沢5/32 寒川4/32 藤沢0/31 西浜8/35 茅ヶ崎1/15 北陵4/35 藤沢西4/35 鶴嶺1/33

 A部門の母数がそれぞれ50とは限らない(慶應湘南は38だったように思えた)ので、あくまでわかる範囲で「男子存在率」を計算すると、605人中81人が男子ということになり、その占有率はわずか13.4%。これが日本の吹奏楽部の縮図だと考えて間違いなかろう。昨年は藤嶺藤沢が全員男子で登場したが、それは男子校であるという特例的存在だ。

 男女が平等に競える数少ないものなので、女性参加率が高いのは結構なのだが、時々男の子たちが萎縮していなければいいけどなぁ、と心配するぜ。女の子パワーに負けないでね。
 
その3 「コントラバスはなぜ右に?」論争決着か...?
 
 論争と呼ぶほど大袈裟なものではないかもしれないが、ここ数年吹奏楽のステージを見てきて不思議に思うところがあった。それは、ステージでの楽器配置である。

 管理人の拙く、また数少ない経験からではあるが、客席側から見て右側にいつもコントラバスが置いてある気がするわけだ。そして、パーカッション群は左側から中央に。金管楽器は木管楽器のうしろ、といった具合だ。

 そのことについて春の定演特集の際、当サイトに書いたところ、寒川高校指揮の岡田寛昭さんと北陵高校指揮の丸山透先生(通称・とおるちゃん)からメールを頂いた。それをどういうタイミングで紹介しようかと思っているうちに、コンクールになってしまった次第だ。

 でもやっぱり、コンクールでも上記のような配置になっていましたなぁ...。それがベストなんすかね。

【岡田寛昭氏の考え】

 音楽で一番重要なのはリズムです、リズムがなければ時間が進みません。低音、打楽器といったリズム楽器でまず周りを固めます。次にリズムの上に和音を重ねます。こうすることでその音楽が悲しいのか、楽しいのかなど、ある程度のことが分かります。その上でメロディを加えるという考え方が一つです。普通に、下から(背後から)重ねないと自然の法則に反してしまいます。
   
 また、低音を下(背後)から重ねるというのが鉄則です。高音楽器は低音に含まれる倍音を感じながら演奏しなくてはなりません。

  「低音に混ぜる」という考え方です

 では、何故打楽器がステージ左なのか? 鍵盤楽器は左から右に向かって音が高くなり、ホールの奥に低音を持ってこないとバランスが崩れます、また、右利きの人がほとんどですので、左に持ってこないと客席側に音を持っていけません。

  リズム〜 ハーモニー〜 メロディ
  音の低い方から
  楽器の構造

 といったところでしょうか?自分も色々試したのですが、やはり自然の法則が一番だと思います。

  「重いもの 重要なものを下」



 う〜む。実際にステージ音楽に触れている人ならではのリアリズムがあります。

 さて、次のとおるちゃんの意見には歴史背景も見え隠れしています。

【丸山透氏の考え】

吹奏楽の楽器配置について

 06年定期演奏会特集の冒頭、管理人さんよりの疑問に、私のわかる範囲でお答え致します。但し、私よりもずっとよくご存じの方が沢山いらっしゃると思いますので、勘違い他ありましたらぜひご指摘頂きたくお願い申し上げます。

 基本的には「管弦楽(オーケストラ)」の配置にならっているようです。ちなみに古代ギリシャ時代の劇場舞台前の半円形の合唱隊席を「オルケストラ」と言い、これが現在の「オーケストラ」の語源となっているようです。

 器楽というのは元々合唱曲であったものを編曲し、音域によっていろいろな楽器を使って合奏することから始まったと言われています。ヴァイオリン、コルネット、トロンボーンといった楽器は、16世紀ころにはすでに使用されていたようですが、当時の楽器の配置がどのようなものであったかは不明です。

 現在のように演奏者全員に一本ずつ譜面台がある、というのもごく最近の習慣のようで、古くは楽譜を広げたテーブルのまわりに集まって演奏していたようです。譜面台の歴史、というのも一度調べてみる価値がありそうですね。

 楽器の編成が現在のオーケストラとほぼ同じになったのは18世紀の終わりから19世紀にかけてのことと言われています。この頃からステージの手前に弦楽器(柔らかく包む音)、奥に管楽器と打楽器(遠くまで良く飛ぶ音)、という配置に固まってきたようです。

 ひょっとしてこれ以前には、ステージ最前列に一列に並んだトランペット群のド真ん中にティンパニが鎮座し、すぐ後ろにヴァイオリンがずらりと並ぶ、なんちゅう配置もあったのではないかしら...?ウルサそぉ〜っ(・_・;)!

 弦楽器というのは弦を弓で弾いて振動させ、内部で反響させた音を本体前面の2つの孔(f字孔って言いましたっけ?)から外へ飛ばす、という構造になっています。客席の方向に音を飛ばすために、ヴァイオリン群はステージ下手(客席から見て左側)に配置されていると考えられます。

 というワケで、ステージ手前に下手から上手に向かって順番に、第一ヴァイオリン、第二ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスという弦楽器群。後方に管打楽器群、という現在の配置が定着したのではないかと思われます。

 吹奏楽の楽器配置もオーケストラの「音域的配置」を基本にしていると思われます。テューバを例に上げれば、一般的なBBテューバは演奏者の左斜め上に音が飛ぶ構造になっていますから、ステージ上手に配置するのが一般的なのだと思われます。

 その他の楽器については各バンドで色々な工夫をしているようです。管理人さんが物好きにも...失礼しました...お忙しい中色々なバンドを撮影した写真が、本サイト上に沢山あります。バンドそれぞれの配置の違い。同じバンドでもその年のメンバーによる違いや演奏する曲による違い。そんな視点からこういった写真を眺めてみるのも面白いと思います。

 以上、素人のつたない知識で申し訳ありませんが、中学で初めて楽器を手にした皆さんにも理解して頂けるように、わかりやすく書いたつもりです。もっと詳しいことを知りたい、と言う場合は(私ごときよりもはるかにお詳しいと思いますので)各校の音楽の先生に質問してみて下さい。

 以上、誠に失礼致しました。



  ふ...深い...。そして、ぎりぎりで理解できそうな...。

 賢明な吹奏楽プレーヤー・ファンの方はきっと理解できたに違いありません。

 管理人の悪い癖、と申しましょうか、素人の浅はかさと申しましょうか。ついつい疑問が湧くと、言葉にしたくなるわけです。で、実は現在密かな疑問がまた一つ...。

 コンクールの際、どうしてA部門には課題曲があるのだろうか。

 これにはきっと深いわけがあるに違いあるまい。誰か教えてちょーだい。