2016.03.22up
文化会館に向かう道すがら、空が泣き出しそうな雰囲気もありましたが、どうにか堪えてくれました。
おそらく北陵ウィンドアンサンブル関係者の日頃の行いの賜物かと。

管理人の体内時計では、吹奏楽定演が始まると、それは即ち“桜の季節”という設定になっていますが、今日、文化会館前の中央公園の桜は全く咲いておらず。
これからまた寒の戻りもあるそうで、体調がおかしくなりそうですね。
 

開演前と休憩時間に行われたアンサンブル。左からサックス四重奏、ユーフォニアム・テューバ四重奏、木管三重奏
 
さて、HWEの定期演奏会ですが、部活ネット創設以来12年連続で聴いていたのに、昨年はどうしても外せないイベントと重なってしまい、参加することが叶いませんでした。

すると、驚きのニュースがプログラムに記されていました。

司会 今井佳奈子(顧問)
...昨年の定期演奏会で結婚を発表し、その翌日に結婚式を挙げる...(中略)今年4月に第一子を出産し、母となる予定。

やはり、1回でもサボッてはいけませんね。
いずれにせよ、今井先生、ご結婚と間近のご出産予定、心からお慶び申し上げます。
いろいろと気を付けてお過ごしくださいませ。
 

左)文化会館前の中央公園の桜の木。まだ花は咲いていませんでした 中)今井佳奈子先生 右)新倉徹也先生
 
 
=プチレポート=
 
では、第36回定期演奏会を聴かせてもらってのプチレポートをお届けします。

印象に残った楽曲

第一部 
トリトン・デュアリティ[長生 淳]


タイトルの表す通り「海の持つ静と動」が極めて絵画的・動画的に表現されていた。
木管が“凪ぎ”を、金管が迫りくる“大波高”を見事に描き、呑み込まれそうだった。
弱奏部の演奏に意志統一が感じられ、聴きに来てよかったと感じた。

第二部 
春の喜びに[ジェームズ・スウェアリンジェン]


金管の丁寧で柔らかい音出し。
管理人はそれにひどく弱いのかもしれない...
今日も泣きそうだった。
そしてダイナミクスの強弱、バッキングの縦乗りの(表現がおかしいかも...)リズムにも気持ちを持って行かれた。

バッハの主題による幻想曲とフーガ[フランツ・リスト/田村文生]

土屋吉弘さんの指揮による演奏。
広がり(横軸)と深み(縦軸)の両方を感じさせる作品だった。
そう感じさせるだけの技量や解釈力が備わっている、という証でもあろう。
地底から湧き上がるような音鳴りと強烈なブレイクも印象的。
最終盤の徐々に夜が明けていくようなイメージの演奏は、土屋さんのこの楽曲に対する思いが溢れ出ていて、感動した。

第三部
シバの女王ベルキス[オットリーノ・レスピーギ/木村吉宏]


さすがに演奏会のメインディッシュだけあり、濃厚な食べ応えのある楽曲だった。
前半、コントラバスが全体の音が消えてゆこうとする中、最後の最後まですがりつくように、微かに鳴る場面はひどくせつない気持ちにさせる。
対照的に最後の第4曲では、思い切りのよいティンパニーで心地よいスタート。リズム隊のシンクロ性がひじょうに高く、ブレイクも美しく決まった。
様々な音が絡み、その激しさと精緻さに心は揺さぶられる。
気持ちを不安にさせるような低音のジワジワ感もとても丁寧な音出しで感心した。
 

 
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2年ぶりに聴くHWEの定期演奏会。
それぞれの部員が一つ一つの音をどう出すのがよいか、丹念に考え、実際に吹き、そして修正してゆく作業をきっちりやったことが窺われる演奏でした。

自らも音楽による自己表現をする立ち位置に戻って来て、彼らのたいへんさが少しはわかるように思います。
HWEの今後の活躍・発展を祈り、見守らせてもらいたいと願っています。

素晴らしい音楽をありがとう。
是非、コンクールでもHWEらしい音楽で高いステージを目指して下さい。

 
プログラム
 
第一部
◇吹奏楽のための第2組曲 [グスターヴ・ホルスト]
◇アーデンの森のロザリンド[アルフレッド・リード]
◇トリトン・デュアリティ[長生 淳]

第二部
◇春の喜びに[ジェームズ・スウェアリンジェン]
◇シンフォニア・ノビリッシマ[ロバート・ジェイガー]
◇バッハの主題による幻想曲とフーガ[フランツ・リスト/田村文生]

第三部
◇シバの女王ベルキス[オットリーノ・レスピーギ/木村吉宏]