■08.11.10up
 
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雨のアンコン。管理人予想ほとんど外れる...
 
 桜の定演。蝉時雨のコンクール。そして、紅葉のアンコン。

 管理人の中ではすっかり出来上がっている吹奏楽カレンダーではありますが、上記写真のように今年は雨。それは激戦を物語る象徴として記憶されることになりそうです。

 毎年のことですが、打楽器・金管・木管或いはその混合チームを得点で比較する限界を感じます。いやいや、勿論、プロの審査員の方々も、そして参加者の皆さんも十分それはわかった上でやっていらっしゃることでしょうが、何だか胸が締め付けられるような気持ちにもなります。

 管理人は個人的趣味もあり、打楽器アンサンブルに肩入れしてしまうところがありますが、ストライクゾーンはかなり広いので、管楽器やコントラバスのアンサンブルでも思わず泣いてしまうことも多々あります。おそらくそれはアンサンブルで奏でられる楽曲が、人間生活の一場面を巧みに切り取ろうという意志により作曲され、解釈力の高いプレーヤーたちによって演奏されると、それがある時は静かに、ある時は激しく心の琴線を揺さぶるからなのでしょう。

 食事に喩えると、定演は豪華フルコース。コンクールはカリスマシェフによるメインディッシュ。そしてアンサンブルは家族や友達・恋人と、或いは一人で食べる、一見ありふれた日々の食卓。

 どれも、人が生きてゆく上では必要なのでしょうが、しかし、どれが一番よく食べられるかと言えば、アンサンブルかと。管理人は、本日の21チームの演奏を聴かせてもらったあと、「まだ聴きたい」と思いましたから。

 それだけに、今回のこの激戦、致し方ないこととは言え、辛い気持になった人も結構いたのかなぁとやや心配にもなります。

 ま、詰まるところ「音楽は好き嫌い」の世界。金賞を取れなかったり、県大会へ行けなかったチームの人たちも、ある意味気楽に、そしてある意味「次こそは」の精神を持って、自らの音楽スキルや世界観を高めていって下さい。音楽は一生つき合っていける最高の友達ですからね。

【審査結果】
 
 漏れ聞く話では、県大会への推薦チームを決める3位のラインで数チームが同点で並んだとのことです。当初予定より審査に時間が掛っていたのはそのせいだったのか、ということがのちに判明しました。

 例年は中学生部門と一緒に大ホールで行っていたアンコンですが、今年は中学が大ホール、高校が小ホールという別開催。管理人の感覚では、大ホールの方が音が高く抜ける印象ですが、実際のところはどうなんでしょうか。それが審査結果に微妙に影響したりするのかもしれませんが、「れば・たら」はありませんからね。

 さて、以下が金賞・銀賞・銅賞の各チーム です。
[出演順]

【金賞】
北陵打楽器八重奏、湘南打楽器五重奏、北陵金管八重奏[県大会代表]、日大藤沢木管五重奏、湘南サキソフォン四重奏、茅ヶ崎クラリネット五重奏、北陵クラリネット四重奏[県大会代表]湘南フルート三重奏[県大会代表]

【銀賞】
茅ヶ崎トロンボーン三重奏、鶴嶺サキソフォン四重奏、日大藤沢クラリネット八重奏、藤沢西クラリネット五重奏、鶴嶺クラリネット五重奏、茅ヶ崎フルート四重奏、藤沢西フルート四重奏

【銅賞】
日大藤沢打楽器五重奏、藤沢・大清水金管打楽器八重奏、藤沢西金管八重奏、鶴嶺金管八重奏、西浜サキソフォン五重奏、西浜フルート四重奏

 県大会出場の3チームの皆さん、おめでとうございます。県大会でも是非表現したい音を奏でてきて下さいね。

=管理人独自採点による上位5チームと褒めたいチームのご紹介=
 
 毎度のことながら今年も独自に30点満点で採点してみました。その結果、県大会出場チームは一つしか当たらず、来年の第10回記念大会(と、管理人が勝手に呼んでます)を以て、独自採点の世界(そんなものがあるのか?)から身を引く決意です。

 一応、「ダイナミクス≒大胆さ」「安定感≒バランス」「シンクロ性≒繊細さ」の3項目から成立はしていますが、要するにどれだけ管理人の想像力を掻き立てる演奏であったか、というのをとりあえず数値化してみました、というイメージです。当然ではありますが、音量が大きく出せる楽器とそうでない楽器では「ダイナミクス」という観点も異なってきます。その時点で本当は比較が難しいわけですが...。

=管理人独自採点部門上位5チーム=
1位 湘南打楽器五重奏 26.5/30
2位 北陵打楽器八重奏 26/30
2位 湘南フルート三重奏 26/30

4位 湘南サックス四重奏 25.5/30
5位 北陵クラリネット四重奏 25/30


★独自採点上位3チームへのコメント

 え〜、これでもなるべく冷静に聴いたつもりだったのですが、打楽器のワンツーフィニッシュになってしまいました。残念ながら湘南・北陵ともに打楽器チームは県大会代表にはなれなかったのですが、管理人の中ではとても印象深く、何かの機会にまた両チームの演奏を聴きたいなぁ、と。

 北陵打楽器はプログラム1番で、どうしてもあとに続くチームの基準になってしまうところもありますが、8人が自分の仕事に徹して、突出した音を作らずに、音を横に広げようという意図を感じました。打楽器ですから当然「叩く」わけですが、時には「撫ぜる」ようなイメージで、たいへんキレよく仕上がっていると思いました。

 湘南打楽器は北陵とは対照的に「エースフォワードのマリンバを盛り立てる4人のミッドフィルダー」という構図を演じ切るよう、それぞれの気合いが垣間見えるパフォーマンスでした。途中、掛声もあり、見た目の楽しさ(管理人はこれを結構重視したりします)もあって、北陵と甲乙つけ難いデキだったと思われます。

 この2チームがいずれも県大会へ進めないというのはかなりショックでした。勿論、演奏している本人たちや指導者の皆さんはもっとショックだったでしょうが。管楽器との比較もとても難しく、管理人引退への引き金となりそうな気配です。

 湘南フルート三重奏はプログラム順が最後。フルート特有の柔らかい音色を存分に生かそうという意図が明確に見える演奏で、潔さを感じると同時にフルートならではのタンギングに技量の高さも感じられました。管理人の重視する「絵が思い浮かぶ」「意図が感じられる」「楽器の特性を生かす」「シンクロ性が高い」といった項目を鮮やかにクリアする演奏で、聴き終った瞬間、これは県大会確定かなぁと思いました。

 ま、当たったのはこのチームだけだったですけど。


★その他、管理人のストライクゾーンに入ったチームを褒め称えます

茅ヶ崎クラリネット五重奏チーム
 「きらきら星」の変奏曲という、誰もが知っている曲を選ぶことには勇気も必要だったはず。しかし、そのことがアンサンブルの楽しさをとてもよく伝えてくれる演奏でした。とても優しい気持になれたよ。

湘南サックス四重奏チーム
 打楽器チームを食うとすればこのチームかとも思っていたのですが、ここでも管理人の予想ははずれました。バスサックスが歌うような印象で、ひどく煽情的な半音進行は高い技量も窺わせました。


★管理人の疑問「なぜ楽譜を見るの?」

 実はアンコンに来るといつも思うことなのですが、演奏時間が5分という短さなのに、譜面台を置いて、楽譜を見ながら演奏するチームが多数派です。今年もその傾向は変わりませんでしたが、それって、安心感のために置いてあるのですかね?

 いやいや、ロックバンドとかはたいてい譜面とか置いていないじゃないですか。以前私が売れっ子ミュージシャン(相当脚色あり)だった頃も、なるべく楽譜を使わないように心掛けていました。大勢で演奏する時や、長い曲をやる時にはしかたないかとも思うのですが、アンサンブルの時は演奏者どうし、演奏者と聴衆との呼吸をもっと見えるようなステージであって欲しいと思ったりします。

 ん〜、でも、的外れなことを言っているのかもしれませんなぁ.....


★頑張れ男の子!!

 
 今回、出場21チーム、演奏者計113名のうち、男子の占める人数はわずか13人。率にして11.5%。少なくとも高校吹奏楽界はほとんど女の子の巣窟です。頑張れ、男の子。もしかすると、思い切って吹奏楽の世界に踏み込むと、女の子にモテたりするかも。
(勿論、それを保証するものでは全くありませんが)

ちょっとだけインタビュー
 
藤沢西金管八重奏チーム

Q:今日のデキはいかがでしたか。
A:小ホールだったので、どれだけ吹いてよいかわからず、ちょっと消極的になってしまいました。

Q:アンサンブルの楽しさはどこにありますか。
A:指揮者がいないから、自分たちで作れるところが面白いです。少人数なのでチームワークがとてもいいです。

Q:アンコン或いはこのチームで何を目指してきましたか。
A: 県大会で金賞!全国で金賞!
 
北陵金管八重奏チーム

Q:今日のデキはいかがでしたか。
A:全力は出しました。

Q:アンサンブルの楽しさはどこにありますか。
A:仲が深まると思います。

Q:アンコン或いはこのチームで何を目指してきましたか。
A:自分と仲間を裏切らないようにやってきました。
 
【管理人より】

 彼らは全員一年生。県大会出場権を獲得しました。おめでとうございます。
 
 
茅ヶ崎クラリネット五重奏チーム

Q:今日のデキはいかがでしたか。
A:楽しかったです。

Q:アンサンブルの楽しさはどこにありますか。
A:音を合わせると皆が一つになれる。

Q:アンコン或いはこのチームで何を目指してきましたか。
A:楽しめればいいと思いました。
 全員一年生なので、仲を深めることを目指しました。