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物理的な意味でもとても暑かったコンクールでしたが、やはりコンクールなので、次なるステージ(ここでは県大会ということになります)にどの学校が進出するのか、ということは最大の関心事であろうかと思います。 部活ネットではB編成で県大会出場権を得た寒川・北陵の両校にインタビューさせて頂きました。 |
寒川高校副部長&指揮者にインタビュー |
左)見事県大会への切符を獲得した寒川高校の副部長・松本絵津子さん(クラリネット) 中)寒川高校指揮者・岡田寛昭さん 右)B部門県大会での健闘を誓い合う岡田さんと北陵高校指揮者・丸山透先生 |
B部門に於いて、ある意味桁違いの音で県大会出場を決めた寒川高校。部員代表として副部長の松本絵津子さんにお話を聞きました。 管理人「素晴らしい演奏でしたね。今日の演奏について、実際に吹いていた人からはいかがでしたか?」 松本さん「デキはよかったと思います。少なくとも気持ちは出せた、という演奏でした(笑)」 管理人「当然、県大会を突破してさらに高みへ、というお気持ちでしょうが、どんな点に気をつけたいですか?」 松本さん「ホールが茅ヶ崎のようないい音にはなかなかならないので、去年の経験を活かして音を出せるようにしたいですね。」 管理人「具体的に言うと?」 松本さん「ステージ上で裏でどこかの学校がやっているチューニングの音が聞こえたりもするので、そういったことも頭に入れておかないと、という気持ちもあります。」 管理人「なるほど...。では最後にこれからの残された時間で特に何を頑張りたいか、教えて下さい。」 松本さん「う〜ん...勿論、全部なんですが、いろいろな意味で“静けさ”を保てるバンドでありたいと思います。」 管理人「ありがとうございました。県大会での健闘をお祈りします。」 松本副部長の「静けさを保つ」という言葉が管理人には深いものに聞こえたのですが、それは音が鳴っていない時間の静寂さが気を殺したかのようになるのが理想、といった意味なのでしょうか...。今度聞かせて下さい。 (全然違うような気もしますが...) 続いて、指揮者の岡田寛昭さんにもインタビューさせてもらいました。 管理人「お疲れ様でした。最早県大会へ出ることが目標、というバンドではなくなってきたかと思う演奏でしたが、岡田さんから見て今日の演奏を採点するとしたらどのくらいでしょうか?」 岡田さん「75〜80点くらいですかね。1年生がほぼ半分入っていますので、まだまだメンタル的に弱いですね。だから、ドーンと音を出せないところもあります。ただ、悪い演奏ではなかったと思います。直前が北陵さんで、かなりいい演奏をされていたので、それも刺激になりました。」 管理人「岡田さんの中ではどういった目標でこの先を見据えていらっしゃいますか?」 岡田さん「関東・全国を目指したいとはずっと思っていますし、そのための努力もしています。ただ、なかなか高い壁があるのも事実ですが。」 管理人「一昨年・昨年と藤沢西が東関東へ進出していますが、そういったことはプレッシャーなどになりますか?」 岡田さん「藤沢西さんとはバンドの目指す方向性が違うのでプレッシャーといったものはありませんが、湘南地区の代表として出るからには関東くらい行くのが義務だろうとは思います。」 管理人「力強いです。そのための秘策は?」 岡田さん「技術的なことはキリがありませんが、低い方の音から積み上げてゆく、という基本を大切にしたいということと、生徒たちの曲に対する解釈力をもっと高くしていきたいですね。結局、音楽というのはそこに懸かっていますから。」 管理人「お忙しいところ、ありがとうございました。県大会での健闘をお祈り致します。」 岡田さんとの付き合いも随分長いものとなりましたが、その間、指導者としての葛藤を幾度も経験され、そのたびにより強くなって寒川高校を率いている印象です。彼は学校の教師ではありませんが、果たしている役割は教師以上のものがあるのかもしれません。管理人は寒川吹奏楽部の1ファンでもありますので、彼らのさらなる活躍を期待しています! |
湘南吹奏楽連盟理事長かつ北陵顧問の丸山透先生にインタビュー |
中)寒川高校岡田さん・松本副部長とともに |
24日のA部門、25日のB部門の両方で金賞&県大会出場を決めた北陵。顧問で指揮者の丸山透先生は湘南吹奏楽連盟の理事長でもありますので、湘南地区全体のことも含めてお話を伺いました。 |
【編集・注】インタビューは2日に亘って行われたものを編集してありますのでご了承下さい |
管理人「Aバンドのデキはいかがだったでしょうか?」 丸山先生「ん〜、ギリギリ合格点というところですかね。地区ではまず課題曲を詰めておきたいと考えていましたから、そちらはまずまずよかったのかなぁとは思いますが、自由曲の方は通しでは2週間ほどしかやっていないので、まだまだですね。」 管理人「定演でも『アルプスの詩』はおやりになっていたわけですが、やはりその時とは違うものになっていると?」 丸山先生「そうですね。3年生の子たちの多くが抜け(編集・注 受験に備えるため4人だけが残って参加している)、1年生を16名入れてやっていますから、全く違うバンドがやっていると言えますね。」 (編集・注 北陵の今年のAバンドは1年16人・2年24人・3年4人の計44人で構成されています) 管理人「A編成で中心となっている2年生たちは昨年のコンクールで銅賞(編集・注 B編成で、という意味です)に終わりましたが、そういったことの影響はありましたか?」 丸山先生「それは関係ないと思いますよ。去年は去年、今年は今年ですからね。」 管理人「直前の茅ヶ崎高校の演奏が素晴らしかったと思いましたが、あれをステージの袖で聴いていて、プレッシャーにはならないものですか?」 丸山先生「いやいや、むしろ嬉しいですね。茅高やってくれるなぁ、と。あれを聴いて、生徒たちにも聴かせてテンションを上げました。前の学校の演奏はどうしても耳に入りますが、それを聴いてダメになるようではいけませんね。」 管理人「Aバンドの県大会に向けての課題をお願いします。」 丸山先生「自由曲はものすごく絵が頭に浮かびやすい楽曲なので、もっとイメージを統一させて、絵を作ってゆきたいです。そして細部も詰め、近くから見ても遠くから見ても美しいものにしたいですね。それがこの曲の指揮者としての役割だと思います。」 管理人「続いてBバンドですが、しっかりした演奏をしますね。それに、聴いている者にワクワク感すら与えてくれる演奏だったと思いました。」 丸山先生「ありがとうございます。1年生はやんちゃで物怖じしない、個性的な生徒の集まりになりましたね。現3年生がひじょうに力のある学年でしたが、それを凌ぐ力があるかもしれませんね。」 管理人「Bバンドの課題はいかがでしょう。」 丸山先生「将来性はこれまででナンバーワンでしょうが、もっと元気があってもいいかなぁと。技術はある程度持っているので、あとは気持ちですね。それと、音程などの細かいところに気を遣えるようになってもらいたいですね。」 管理人「わずか19人ですが、逆に19人だからこそのよさもあるのでしょうね。」 丸山先生「そのとおりです。ひじょうにまとまりよくやっています。初心を忘れずにやってくれれば、と期待しています。」 管理人「これで久々にA・B両部門での県大会出場となりましたが、何か達成感のようなものはありますか?」 丸山先生「いえいえ。結果は嬉しいですが、音楽をやっている以上はそこで達成感を感じたら終りになってしまいますしね。」 管理人「では最後に理事長として、湘南地区全体のことをお伺いさせて頂きますね。ここ数年での湘南地区のよい点・悪い点などを教えて下さい。」 丸山先生「ん〜、ステージマナーの悪い子が増えているようで気になります。コンクールなどは公の場ですから、きちんとした恰好で来てもらいたいですね。」 管理人「よくなった点としてはどんなことが...?」 丸山先生「まず、A部門に果敢に挑戦する学校が増えたのは好ましいことだと思います。昨年の鶴嶺、今年の藤沢西といった学校はB編成で一定以上の成績を収めてきたところですが、それによって部員が増え、必然的にAへと向かうというのは一つの流れかと思いますね。部員数が増えているという事実は素晴らしいことです。」 管理人「注目されている学校などはありますか?」 丸山先生「特筆すべきは日大藤沢高校ですね。音楽に取り組む姿勢は勿論ですし、今大会でA・B両部門で金賞も得ていますが、そのことよりも、裏での作業を懸命に手伝ってくれたり、大きな声で挨拶をしてくれたり、というのが嬉しいです。おそらく、音楽だけでなく、学校内などでもそういったことが徹底されているのだと思いますね。素晴らしいです。」 管理人「お忙しいところ、ありがとうございました。県大会でのご活躍をお祈りします。」 北陵の演奏は心打つものがありました。県大会ではさらに精度の高い演奏を期待したいと思います。 さあ、本当に暑く、また熱かった第9回湘南吹奏楽コンクール。県大会へ行けるチームの皆さんは、出たくても叶わなかったチームの気持ちも背負って頑張ってきて下さい。よい報告を期待しています。 それでは来年の第10回記念大会でまたお会いしましょう。管理人はもう少し吹奏楽の深みについて学習しておきますね。 |
2008.7.26夜 管理人・記 |
昨日のA部門に引き続き、本日のB部門も激暑。もしコンクールが屋外での演奏であったなら、管理人は絶対に出掛けないと断言できるほどの暑さです。 B部門はA部門とは違い、自由曲一発勝負という潔さや、出場チームの様々な背景・ドラマといったものも垣間見えて管理人としては別の楽しみがあります。また、昨年まで2年連続で東関東大会にまでコマを進めた藤沢西高校が部員増加でA部門に転じたこともあり、県大会出場の2枠(B部門は湘南地区からは7チーム中2チームが県大会進出)をどの学校が勝ち得るのか、というコンクール本来の楽しみも勿論携えての取材をさせてもらいました。 独自採点はA部門同様、「シンクロ性」「ダイナミクス」「安定感」の3項目で一応実施しましたが、あくまで一聴衆の感想に過ぎませんので、関係者の皆さんはあまり気になさらないで下さいね。 いやぁ...それにしても暑いです。 明日、高校野球の南神奈川決勝戦が横浜球場にて行われますが、横浜・創学館両校の吹奏楽担当の方たちは水分補給などには十分留意して下さいね。野球の応援も大切ではありますが、命の方がちょっと大事ですからね。 |
B部門 管理人独自採点&短評 |
【採点項目】 @シンクロ性:パート内・パートごとの吹き出しやブレイク時のピタリ感 10点満点 Aダイナミックス:全体的音量とその強弱のコントラスト 10点満点 B安定感:音程や音量のバランス。要は安心して聴けるかどうか 10点満点 各校30点満点で採点してみました。 尚、B部門は総人数・男子の数・コントラバスの数を目視で確認できる範囲で数えてみました。 数え間違っていたらごめんなさい。 |
1.西浜 昨年度成績:A部門で銀賞 コロボックルの棲む渓谷「神居古譚」 (八木澤教司 作曲) 総合人数 31名 うち男子 8名 コントラバス 2本 ◇◆◇管理人独自採点◇◆◇ @7 A7 B7 計:21点 ★短評★ 吹き出しがやや不安定ではあったものの、すぐに立ち直り、演奏している全員が「繋がろう」という意識で頑張っていた。もしかすると個々はまだ演奏技術に自信がないのかもしれないが、今日のようなステージを経験することで大きく伸びてゆくと期待されるバンドであろう。例年に較べてややおとなしい雰囲気だったように思えたが、気のせいかな? |
2.藤沢・大清水合同 昨年度成績:藤沢[銀賞],大清水[銅賞] 前奏曲とサロメの踊り (A.ズラタノフ 作曲) 総合人数 20名 うち男子 2名 コントラバス 0本 ◇◆◇管理人独自採点◇◆◇ @6 A6.5 B6 計:18.5点 ★短評★ ついに吹奏楽でも合同チームというのが登場する時代になったか...。ラグビーなど大人数のスポーツでは最早一般的な公立普通科の学校が単独チームを形成することは困難になりつつあるが、「合同」というのも悪くないなぁと思う。特に今回の藤沢&大清水は7チームの中で最も楽しそうに演奏していたし、ここ数年の大清水高校がひと桁の人数で参加していたことを思えば、余計そう感じる。実際には一緒に合奏練習など出来る機会がふんだんにあるわけでもなかろうから、音の出方にバラつきがあったりもしたが、中盤以降ダイナミックレンジを使えて“妖艶さ”を出せていたという事実一つを取っても、それは間違いなく進歩であったと思われる。今後も楽しみにしたい。 |
3.慶応湘南藤沢 昨年度成績:銀賞 ガリバー旅行記より T,V,W (B.アッペルモント 作曲) 総合人数 33名 うち男子 9名 コントラバス 1本 ◇◆◇管理人独自採点◇◆◇ @8 A7.5 B7.5 計:23点 ★短評★ 全体として木管を中心にしっとり謳い上げるような演奏が得意なのかなぁと思わせる選曲と運びであった。安定感のあるピッコロ(たぶん)とパーカスでの始まりに代表される「佳作」というイメージで、管理人の個人的好みにはかなりマッチしていた。劇的音量変化を出せると尚よいのかもしれないが、このバンドのよさである安定感とのバランスはなかなか難しいものかもしれない。ちなみに、中央奥で太鼓を叩いていた男の子は実に楽しげで、こちらも楽しい気持ちになれた。 |
4.日大藤沢 昨年度成績:銀賞 喜びの音楽を奏でて! (J.スウェアリンジェン 作曲) 総合人数 21名 うち男子 0名 コントラバス 1本 ◇◆◇管理人独自採点◇◆◇ @8.5 A7.5 B8.5 計:24.5点 ★短評★ 人数の関係もあるのだろうが、打楽器群をうしろではなく前方左側に寄せたのは視覚効果とステレオ効果があり、それだけで管理人は嬉しくなったりする。演奏は安定感があり、春のポカポカした陽気を音にしたような、ひじょうに優しい音色を奏でようという意識が表れているようであった。特に中盤のトランペットソロと木管群にそれを感じた。終盤は全体のノリがよくなって、顔つきまでが自信のあるものに変わったように思えた。ちなみに、管理人のすぐうしろに座っていた一団は日大藤沢の子たちである思われ、素晴らしい演奏に涙ぐんでいた。音楽の力、だね。 |
5.鵠沼 昨年度成績:A部門で銅賞 新世界 パートT,U,V (A.ドボルザーク 作曲/R.W.スミス,P.ロッツェル 編曲) 総合人数 35名 うち男子 0名 コントラバス 0本 ◇◆◇管理人独自採点◇◆◇ @6 A7.5 B6 計:19.5点 ★短評★ 日大藤沢に続き、打楽器群が左寄せ。しかも人数は8人。それも鼓笛隊の如く、胸に太鼓を抱えている子もいて、マーチングをステージで演奏する、というイメージである。ステージの板に直接載っている木管が、クラリネット6、フルート6というのも一般的なB編成バンドとは明らかに違う。さらに言えば、選曲も「新世界」とはいえ、編曲は柔らかく奏でることをそれほど想定していないようにも思えた。音の粒が粗いように感じたが、ステレオ感もあり、楽しめた。勇気ある編成・勇気ある選曲であった。ちなみに、袖からステージに入ってくる姿勢は他校を圧して美しかったことを伝えておきたい。あれを見ただけでも価値はあった。 |
6.北陵 昨年度成績:銅賞 コヴィントン広場 (J.スウェアリンジェン 作曲) 総合人数 19名 うち男子 2名 コントラバス 2本 ◇◆◇管理人独自採点◇◆◇ @9 A8 B8.5 計:25.5点 ★短評★ 1年生のみ、19人しかいないのにコントラバス2本・サックス4本といったあたりに北陵テイストを感じさせるが、そのしわ寄せもあり、クラリネットはゼロ。但し、演奏は始まりから金管が安定しており、聴いていて安心感がある上、リタルダンドの掛け方や1音ずつの吹き出しに思い切りのよさも感じる。勿論、作曲者の意図もそうなんだろうが、テーマ部分の繰り返しがひじょうに脳裏に残る演奏で、ワクワク感も十分にあった。コントラバスも効果的でエンディングのブレイクもきれいに決まった。もしや、ピッコロのピッチがちょっと悪かったやもしれないが、終わった瞬間、金賞は間違いないと思えるものであり、また聴きたいと思わせてくれる演奏であった。 |
7.寒川 昨年度成績:金賞 |
B部門 本当の審査結果 |
【金賞】 日大藤沢、北陵、寒川 (上記より、北陵・寒川が県大会に出場します) 【銀賞】 西浜、慶応湘南 【銅賞】 藤沢&大清水、鵠沼 |
という結果になりました。 結果は管理人が思っていたのとほぼ同じでした(笑)。当たったのはかなり久しぶりのような気がします。 A編成で出られる学校というのは部員数がかなりいる、という前提となりますが、Bの場合は10人未満で出てくるような学校もあるわけです。それでも音楽がやりたくて、という情熱や意気込みはB編成のバンドにより強く感じます。今年もそれをしっかり垣間見させてもらいました。 県大会へ出場する北陵・寒川の皆さん。おめでとうございます。しっかり演奏してきて下さい。一昨年・昨年と藤沢西高校が県大会を突破して東関東大会に進出したという実績もありますし、「湘南地区代表はやるじゃないかね」と他地区の人たちに思ってもらいたいですし。 というか、もう一度演奏する機会に恵まれた皆さん自身の幸運に感謝して、是非楽しんできて下さいね。 |
野球の取材が一段落すると、吹奏楽コンクールの季節の到来です。ある意味で、この予定調和は管理人の中ではとても大切なリズムになっていて、吹奏楽コンクールの日が暑ければ暑いほど、何か生命の躍動のようなものを感じる次第です。 (歳をとったせいかもしれませんが...) 本日は本業の学習塾から徒歩10分ほどの間に既に2リットルほどは発汗する「酷暑」とも言える中、高校A部門(50人までの編成)が実施されました。楽器の搬送や屋外での写真撮影などに携わった人は具合が悪くなったりしていませんか?管理人は、先日野球観戦のあと、だいぶクラクラしました...。たまには日光に当たっておかないといけませんね。 さて、今年も独自採点表を手にして会場に入ったわけですが、あまりの暑さに「もう今日はシンプルに感動するかどうか、という1点で聴こう」と決意。採点項目を「シンクロ性」「ダイナミクス」「安定感」の3つに絞って聴いてみることにしました。 また、今年は4つある課題曲のうち、5チームがT(ブライアンの休日)を選んだこともあり、課題曲をどう演奏してくれるのかには例年よりも力点を置こうかなぁ、と。 ところが問題が... A部門は7チームの参加(3チームが県大会に出場できる)で実施されたわけですが、先頭の湘南高校から6番目に登場した北陵高校まで、得点上ほとんど差がつかないわけです...。本当に大変なことになりました(実際には全く大変ではありませんが)。 恒例の短評も書かせてもらいますが、関係者の方は気になさらず、「へぇ、そんなふうに聴く人もいるのか」といった感じで読んで下さいね。 出場チームの皆さん、今年もすばらしい演奏をありがとうございました。裏で支えた多くの方々、本当にお疲れ様です。まだ明日B部門(35人までの編成)もありますので、ゆっくり休まれて下さい。 |
中学生部門も同日開催のため、たいへんな混雑ぶりです。ちなみに、中学B部門では北陽中・長後中・松林中が、中学A部門では高倉中・大庭中・六会中(いずれも出演順)が県大会出場権を手に。それにしても暑かった... |
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A部門 管理人独自採点&短評 |
【採点項目】 @シンクロ性:パート内・パートごとの吹き出しやブレイク時のピタリ感 10点満点 Aダイナミックス:全体的音量とその強弱のコントラスト 10点満点 B安定感:音程や音量のバランス。要は安心して聴けるかどうか 10点満点 各校30点満点で採点してみました。 メンバー中の男子の数、コントラバスの数は目視で確認できる範囲でのものです。違っていたらごめんなさい |
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1.湘南 昨年度成績:銀賞 課題曲V セリオーソ (浦田健次郎 作曲) 自由曲 大唐西城記より 第1章 序曲 玄奘 (阿部勇一 作曲) コントラバス1本 男子9名 ◇◆◇管理人独自採点◇◆◇ @8 A8.5 B7.5 計:24点 ★短評★ 湘南だけが課題曲に「セリオーソ」を選択。音数の少ない出だしには不安も抱えつつ、という印象ではあるが、途中のパーカスと金管の絡みからダイナミクスがMAXに。かなりドキドキ感のある劇的な終りで管理人のストライクゾーンを今年も外さなかった。自由曲は紫色の空を天馬が駆けてゆくイメージで壮大に演奏されていた。パーカスのシンクロ性が高く、管理人のかなり好きな演奏ではあるが、トップバッターということで得点を抑えたところもある。あとに登場するバンドの採点はかなり難しいものになりそうな気がする。 |
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2.鶴嶺 昨年度成績:銀賞 課題曲T ブライアンの休日 (内藤淳一 作曲) 自由曲 三つの夜想曲より U (ドビュッシー 作曲/W.A.シェイファー 編曲) コントラバス2本 男子1名 ◇◆◇管理人独自採点◇◆◇ @8 A7.5 B8 計:23.5点 ★短評★ 安定感抜群なのに、今ひとつ音が突き抜けられなかったように感じた課題曲であったが、自由曲はバンドの特徴をうまく引き出す楽曲であった。管のアンサンブルによる出だしやコントラバスとヴィブラフォンだけになる部分はかなり効果的で、ステレオ感を強く感じられる好演奏。コントラバスとパーカスのみでのエンディングも素敵だった。個人的には金賞はいけるのでは、と感じられる演奏であった。 |
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3.日大藤沢 昨年度成績:金賞[県大会出場] 課題曲T ブライアンの休日 (内藤淳一 作曲) 自由曲 バレエ音楽「ガイーヌ」より 序奏、友情の踊り、アイシェの孤独、剣の舞、収穫祭 (ハチャトリアン 作曲/中村睦郎 編曲) コントラバス1本 男子3名 ◇◆◇管理人独自採点◇◆◇ @8.5 A8.5 B8 計:25点 ★短評★ 同じ課題曲が続くため、違いは鮮明に伝わるように思われた。日大藤沢は“硬質”とでも喩えたくなる音で、管・パーカス群が一つ一つの音の粒立ちをハッキリ出そうとしているような印象である。自由曲は有名な曲であるがゆえ、リスクもあるが、裏で鳴っている楽器も含めてしっかりしている。トロンボーンと木管との掛け合い(?)も勇ましくてよかったし、トランペットのソロ、木琴といった楽器にも思い切りのよさを感じた。金賞は堅いと思わせる演奏であった。 |
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4.藤沢西 昨年度成績:B部門で東関東大会進出 課題曲T ブライアンの休日 (内藤淳一 作曲) 自由曲 アウェイデー (A.コープ 作曲) コントラバス2本 男子9名 ◇◆◇管理人独自採点◇◆◇ @7.5 A8.5 B8 計:24点 ★短評★ 昨年までB編成で2年連続東関東大会進出の実績を誇る。そこからAへの転向には当然リスクも伴うわけで、ここ数年を振り返っても、寒川・西浜・鶴嶺といったあたりは前年Bで参加した時よりも成績を下げているという事実もある。課題曲は前2校に較べて明らかにテンポが速く、フェルマータのかけ方も独自性を感じさせる。藤沢西独特のブラス煽情を活かす、という手法なのかもしれない。自由曲の出だし部分にシンクロ性の高いフレーズを持ってくるあたりの「演出」も藤沢西ならでは、であった。ただ、そこで微妙なズレが感じられたのが、どう採点に影響するのか...。個人的には好きな演奏だった。 |
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5.茅ヶ崎 昨年度成績:金賞[県大会出場] 課題曲U マーチ「晴天の風」 (糸谷 良 作曲) 自由曲 二つの交響的断章 (V.ネリベル 作曲) コントラバス2本 男子3名 ◇◆◇管理人独自採点◇◆◇ @8 A8.5 B8.5 計:25点 ★短評★ 課題曲は「全体的に敢えて抑え目なの?」と思うほど、まとまりを意識した演奏のように思えた。しかし、自由曲で一変。次々に場面転換する白黒の恐怖映画を思わせる楽曲を高い技術と精神力で乗り切っていくイメージで、演奏中にバンドが成長しているのでは?と思わせるような「ハイ」状態であった。特にサックスとパーカスの絡みは素晴らしく、管理人は何度も背中が痺れるような感覚になった。これは冒険的楽曲による勝負に出たのかどうか、指揮者の内川裕子さんに聞いてみたい気がする。ビジュアル的にも譜面台を赤、女子の靴下を白で長さもビシッと揃えて「おっ」と思わせるものであった。管理人的には本日一番の「買い」であったことを記しておく。 |
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6.北陵 昨年度成績:金賞[県大会出場] 課題曲T ブライアンの休日 (内藤淳一 作曲) 自由曲 アルプスの詩より X,Y,Z (F.チェザリーニ 作曲) コントラバス2本 男子7名 ◇◆◇管理人独自採点◇◆◇ @8 A8 B8.5 計:24.5点 ★短評★ 課題曲は北陵にしては音量が少なく、音が薄い感じであったが、自由曲では一変。「高原で朝目覚める」というイメージから次々に目まぐるしく場面転換を想起させる。かなりの難曲であり、どこをどう評価してよいのかはわかりづらいのであるが、ホルンを1つだけステージ左側に配し、ただならぬ優しい音色で奏でようという意図はよく見えるし、実は聴いていて泣きそうな気持ちにさせられた。北陵テイストだなぁ...。ちょっとだけスロースターターっていうイメージなので、課題曲をもっと強く吹いて欲しい気もする...。ぜいたくな望みっすか? |
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7.湘南学園 昨年度成績:銅賞 課題曲T ブライアンの休日 (内藤淳一 作曲) 自由曲 神々の運命 (S.ライニキー 作曲) コントラバス1本 男子5名 ◇◆◇管理人独自採点◇◆◇ @7 A8 B7 計:22点 ★短評★ 課題曲は同じ曲を演奏した他の学校よりも金管が前面に出るようで、音量の大きさが感じられる。全般的に音量をコントロールしようという意図はハッキリわかる演奏で、木管の子たちが楽しげに演奏しているのが印象に残る(実際にはそんな余裕はなかったのかもしれないけど)。自由曲は恐怖映画(茅ヶ崎高校のとは違ってカラーの西洋モノというイメージ)のBGMを想起させる(管理人のメモには「フライU」と記されている)。木管が柔らかい音色を出そうとしているのも感じられた。 |
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A部門 本当の審査結果 |
【金賞】 湘南、日大藤沢、茅ヶ崎、北陵 (上記より日大藤沢、茅ヶ崎、北陵の3チームが県大会に出場) 【銀賞】 鶴嶺、藤沢西、湘南学園 |
という結果となりました。 |
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